伊藤隆 (キックボクサー)

伊藤 隆（いとう たかし）

伊藤隆は1970年9月22日に埼玉県入間市で生まれた元キックボクサーであり、実業家としても成功を収めている人物です。彼はキックボクシングジム「TARGET」の会長およびRISEクリエーションの代表取締役を務めており、競技者としてはWMAF世界スーパーウェルター級の王者でもあります。兄には俳優のデビット伊東がいます。

選手としての歩み

伊藤は山木ジムに所属し、1996年には緒形健一に敗北したものの、その後の戦績で名を挙げていきます。特に1996年には、元ルンピニー認定のウェルター級王者であるマーパロンを相手に、ローキックでスネを骨折させ勝利しました。この試合が彼のキャリアの転機となり、その後も1997年にはムラッド・サリ、1998年にはジョン・ウェイン・パーといった強豪に勝利を収めていきます。

1998年には、チャンピオン・カーニバルのメインイベントでルーク・ケントンと対戦し、見事に判定勝ちを収めてWMAF世界ジュニアミドル級王座を獲得しました。同年、彼はマーシャルアーツ日本キックボクシング連盟主催の年間表彰式で最優秀選手賞も受賞し、その実力が広く認められました。

2000年3月20日、センティアンノーイ・ソールンロートと対戦しTKO勝ちを収め、WMAF世界スーパーウェルター級王座を手に入れました。しかし、その後の試合で受けた脳のダメージが原因で、2000年に現役を引退する決断を下します。引退興行では魔裟斗とエキシビションマッチを行い、選手としてのキャリアに幕を下ろしました。

引退後のキャリア

引退後は、2003年に山口元気と共にキックボクシング団体「R.I.S.E.」を設立し、現在もその活動を続けています。彼の娘である「セラ」は2023年からRISEのラウンドガール「R-1SE Force」として活動しています。

技術とスタイル

伊藤の戦闘スタイルは多彩であり、ミドルキックやハイキック、首相撲、膝蹴りなどを駆使する高度な技術を持っています。特に肘打ちにおいては、彼の持ち味ともいえる強力な一撃で、多くのライバルを圧倒してきました。彼の入場時の動きからはその華やかさが感じられ、試合中のパフォーマンスも全体としてエンターテインメント性が高く、ファンを惹きつける要素が詰まっています。

獲得タイトルと受賞歴

伊藤は数々のタイトルを獲得した実績の持ち主です。具体的には、MA日本ウェルター級の第10代および第12代王座、初代WMAF世界スーパーウェルター級王座を保持しています。また、1998年度と2000年度の最優秀選手賞を受賞した経歴もあり、技術者としても高く評価されています。

彼のキャリアは、日本におけるキックボクシングの発展に寄与し、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

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