ウェルター級

ウェルター級について

ウェルター級（英: welter weight）は、主にボクシングをはじめとする各種格闘技で指定される階級の一つであり、その名はおそらく「強打」を意味する言葉「welt」に由来するとされています。この階級は、ボクシングにおいては元々ミドル級の1つ下のカテゴリとして位置づけられていましたが、現在では2つ下の階級と見なされています。近年では、キックボクシングなど他の格闘技でもこの名称が使用されるようになっています。

ボクシングにおけるウェルター級

プロボクシングにおいて、ウェルター級の契約ウェートは140ポンドから147ポンド（約63.5kgから66.7kg）に設定されています。これはスーパーライト級とスーパーウェルター級の間に位置し、全17階級中7番目に重い階級とされています。この階級は非常に多くの選手が集まりやすく、特にボクシングが盛んな欧米出身の選手に適した体格の人が多いため、新陳代謝の激しい階級としても知られています。ボクシングの中量級の中でも特に人気が高く、数多くの有名選手がこの階級から輩出されています。

アマチュアボクシングでは、ウェルター級の範囲が64kgから69kgに設定されています。初代の世界王者はアメリカのパディー・ダフィーで、日本から日本人選手が世界王座を獲得したことはないことから、この階級は日本のボクシング界において特異な位置付けとなっています。日本のジムからは辻本章次、龍反町、尾崎富士雄、佐々木基樹といった選手が挑戦しましたが、残念ながら誰一人として世界チャンピオンにはなっていません。

この階級の最多防衛記録はアメリカのヘンリー・アームストロングが持つ19度であり、また、テレンス・クロフォードはスーパーライト級に続いて、この階級でも4団体王座を統一達成しています。女子ボクシングでは、セシリア・ブレークフスが女子全階級通じての最多防衛記録25度を達成し、初の4団体統一を果たしました。

総合格闘技におけるウェルター級

総合格闘技（MMA）の分野では、ウェルター級の契約ウェートは165ポンドから170ポンド（約74.8kgから77.1kg）としており、全14階級中7番目に軽い階級です。この階級はネバダ州アスレチック・コミッションやボクシング・コミッション協会によって定められていることが特徴です。かつてPRIDEでは83.0kg契約とされ、DREAMでは76.0kg契約が適用されていました。

キックボクシングにおけるウェルター級

キックボクシングにおいては、ウェルター級における契約ウェートは団体によって異なりますが、GLORYでは77.0kg、ISKAでは67kg（147ポンド）、WKAでは63.5kgから67kg（140ポンドから147ポンド）、シュートボクシングでは67.5kg契約が規定されています。K-1では67.5kgに設定されています。

ムエタイにおけるウェルター級

ムエタイでは、ウェルター級の契約レベルは140ポンドから147ポンド（約63.5kgから66.7kg）としており、全19階級中9番目に重い階級で、世界ムエタイ評議会によって規定されています。

その他の競技

レスリングでは、かつて「ウェルター級」と呼ばれた階級は現在の74kg級に相当し、女子では59kg級をウェルター級と呼ぶこともあります。プロレスでは、特にメキシコなどの階級制がある国でウェルター級が設けられています。

このように、ウェルター級はさまざまな格闘技において重要な役割を果たしており、それぞれの競技で異なる特性を持った選手が存在しています。

もう一度検索