伊調千春

伊調千春：不屈のレスリング魂と教育への情熱

伊調千春（いちょう ちはる）は、1981年10月6日生まれ、青森県八戸市出身の元女子レスリング選手です。オリンピックで2度の銀メダルを獲得した実力者であり、妹の伊調馨もまた金メダリストという、レスリング界を代表する姉妹としても知られています。

生い立ちとレスリングとの出会い

1986年、地元の八戸クラブでレスリングを始めた伊調千春は、その才能を開花させ、中学校から強豪校である京都府の網野高校へ進学。その後、東洋大学に進み、女子レスリング界で頭角を現しました。しかし、更なる高みを目指し、2002年に東洋大学を中退、女子レスリングの名門である中京女子大学（現在の至学館大学）へ編入しました。大学では健康スポーツ科学の学士号を取得し、さらに名誉修士の称号も授与されています。

オリンピックでの活躍と挫折

アテネオリンピックでは、ライバルの坂本真喜子を破り、金メダル候補として期待されましたが、決勝戦でイリーナ・メルニク（ウクライナ）に延長戦の末、判定で敗れ、銀メダルに終わりました。2006年には綜合警備保障に入社し、レスリング部に入部。2008年の北京オリンピックでリベンジを誓いましたが、再び決勝で敗れ、2大会連続の銀メダルという結果に。試合後、「レスリングに感謝したい」と語り、妹の馨とともに現役引退を表明しましたが、後に撤回しました。

引退と新たな道へ

競技生活を終えた伊調千春は、2010年4月より青森県立八戸西高等学校の教諭（保健体育）として着任しました。選手としての経験を生かし、次世代の育成に力を注いでいます。

主な戦績

伊調千春は、数々の大会で輝かしい成績を収めています。

1999年：全日本女子選手権51kg級 準優勝
2000年：ジャパンクイーンズカップ51kg級 準優勝
2000年：世界ジュニア選手権50kg級 優勝
2000年：全日本選手権51kg級 3位
2001年：ジャパンクイーンズカップ51kg級 準優勝
2001年：世界ジュニア選手権50kg級 優勝
2002年：ジャパンクイーンズカップ51kg級 優勝
2002年：世界学生選手権51kg級 優勝
2002年：世界選手権51kg級 準優勝
2002年：全日本選手権51kg級 優勝
2003年：ジャパンクイーンズカップ51kg級 準優勝
2003年：世界選手権51kg級 優勝
2003年：全日本選手権48kg級 優勝
2004年：ジャパンクイーンズカップ48kg級 準優勝
2004年：アテネオリンピック48kg級 準優勝
2005年：ジャパンクイーンズカップ51kg級 優勝
2005年：全日本選手権48kg級 優勝
2005年：ワールドカップ51kg級 優勝
2006年：ジャパンクイーンズカップ48kg級 優勝
2006年：ワールドカップ48kg級 優勝
2006年：世界選手権48kg級 優勝
2007年：世界選手権48kg級 優勝
2008年：北京オリンピック48kg級 準優勝

関連情報

オリンピックのレスリング競技・日本人メダリスト一覧
女子レスリング選手一覧
至学館大学（旧・中京女子大学）レスリング部
青森県出身の人物一覧
兄弟スポーツ選手一覧

外部リンク

伊調千春 全成績
伊調千春 - International Wrestling Database
伊調千春 - Olympedia
綜合警備保障レスリング部
* 日本オリンピアンズ協会 OAJインタビュー 伊調千春さん 吉田沙保里さん 伊調馨さん 浜口京子さん


伊調千春は、選手としての卓越した実績だけでなく、教育者としての新たな道を歩み始めています。彼女の不屈の精神と情熱は、多くの人々に勇気と希望を与え続けています。

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