伊貝武臣

伊貝武臣の経歴と人物像

伊貝武臣氏は、1945年4月5日生まれの実業家であり、スタジオアリスの取締役副会長や、名古屋大学大学院経済学研究科の招聘教授を歴任しました。彼のキャリアは、名古屋大学経済学部を卒業後、1968年にいづみや（現イズミヤ）に入社したことから始まります。大学時代には、末松玄六ゼミに所属し、百貨店の経営を研究テーマとしていました。その過程で、近畿地方を中心に展開する衣料品チェーン店であるイズミヤに興味を持ち、同社への入社を決意しました。

イズミヤでは、総務統括部長などを歴任し、総合スーパーへの転換期には、食品部門の一期生として活躍しました。また、2代目社長の和田満治氏の葬儀では、総務担当として葬儀を取り仕切り、故人の好物であったあんパンを参列者に配るなど、故人を偲ぶ細やかな配慮を見せました。

その後、イズミヤでの同期入社の人物からの誘いを受け、1996年にスタジオアリスへ出向、1997年には同社の常務取締役業務本部長に就任しました。その後、専務取締役、取締役副社長を歴任し、2009年には取締役副会長に就任するなど、同社の成長に大きく貢献しました。2011年に顧問に退いた後、2015年からは名古屋大学大学院経済学研究科の招聘教授として教鞭を執っています。

イズミヤからスタジオアリスへ

イズミヤ時代には、関連会社の合併や総合スーパーへの転換など、企業変革期における重要な役割を担いました。一方、スタジオアリスでは、新興企業で新たな仕事に挑戦することに喜びを感じていたと語っています。イズミヤが阪急阪神東宝グループの傘下に入ったことについては、親会社に頼るのではなく、エイチ・ツー・オー リテイリングの中心として、新時代の流通業に関わっていくことを望んでいると述べています。

著書とAI時代の企業戦略

伊貝氏は、著書『第4次産業革命のIT技術に基づくAI時代の企業戦略 : 「スタジオアリス」が業界トップになった理由』の中で、IT技術とAIが企業戦略に与える影響について考察しています。スタジオアリスが業界トップに躍り出た背景には、これらの技術を積極的に活用した戦略があったことを示唆しています。

伊貝武臣氏は、実業家としての豊富な経験と、大学での研究活動を通じて、現代の企業経営における課題や可能性について、深い洞察力を持っている人物と言えるでしょう。

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