伊達宗時

伊達宗時

伊達宗時（だて むねとき）は、江戸時代前期に伊予国宇和島藩の世子として生まれた人物です。初代藩主・伊達秀宗の次男であり、伊達政宗の孫にあたります。官位は従五位下・左京亮。

生涯

元和8年（1622年）、宗時は同母兄の宗実と共に2代将軍・徳川秀忠に謁見しました。寛永4年（1627年）に宗実が病弱を理由に嫡子を辞退したため、寛永9年（1632年）に宗時が世子となり、従五位下左京亮に叙任されました。

寛永15年（1638年）、祖父・政宗が幕府に宇和島藩の改易を願い出るという和霊騒動が発生。この騒動の衝撃に加え、父・秀宗が中風により病床に伏せる事が多くなったため、宗時は宇和島に入り、実質的な藩主として政務を執り行いました。当時、秀宗は既に死去または隠居したと見なされており、幕府や家臣も宗時の入国を「当主として帰国」と認識していたとされています。一部史料『大武鑑』などでは、宗時を藩主として扱っています。

寛永20年（1643年）には仙台藩に家臣を要請するなど、当主として活動していたことが窺えます。藩政においては、家臣の知行を蔵米制に移行し、定免法への税制改正を実施しました。慶安3年（1650年）頃から宗時は健康を害するようになり、同年には土佐藩との国境紛争も発生しています。

承応2年5月29日（1653年）、宗時は39歳で父・秀宗に先立って死去しました。そのため、宗時の異母弟である宗利が家督を継ぎ、2代藩主となりました。

宗時の早世については、和霊騒動における山家公頼の祟りであるという噂も存在します。

参考文献

* 宇神幸男『宇和島藩』現代書館〈シリーズ藩物語〉、2011年7月。

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