伊達宗純

伊達宗純

伊達宗純（だて むねずみ）は、江戸時代前期の大名であり、伊予国吉田藩の初代藩主として知られています。

生涯

寛永13年（1636年）に、伊予宇和島藩の初代藩主である伊達秀宗の五男として、宇和島藩の江戸藩邸で生まれました。母は吉井氏です。

明暦3年（1657年）に、父・秀宗から3万石を分与され、伊予吉田藩の初代藩主となりました。宗純の性格は驕慢であったと伝えられており、吉田藩の立藩の経緯もまた、多くの出来事に彩られています。

3万石分知の経緯については、複数の説が存在します。一般的には、秀宗が宗純を溺愛し、父・政宗が亡くなるまで支出していた隠居料3万石を宗純のために分与したとされています。しかし、別の説では、2人の兄が相次いで早世したため世継ぎとなった兄の宗利（秀宗の三男）を宗純が妬み、陸奥国仙台藩の分家である伊達宗勝（政宗の十男で秀宗の弟）と共謀して、秀宗の遺言書を偽造したとも伝えられています。この分知以降、宇和島宗家とは対立関係となりました。伊達騒動においては、流罪となった伊達宗興（宗勝の嫡男）の正室や子供を預かっています。

元禄4年（1691年）に、家督を次男である宗保に譲り隠居し、宝永5年（1708年）に死去しました。享年71歳でした。

治世

宗純の治世下では、山田騒動と呼ばれる事件が発生しました。

ある年、宗純が病に倒れた際、吉田藩領内に滞在していた土佐藩の浪人・山田仲左衛門が医者として宗純を診療し、全快させました。

仲左衛門は文武に長けており、宗純は仲左衛門に100石を知行として与え、後に200石に加増して重用しました。仲左衛門は宗純を説き、財政政策として高禄の譜代重臣の改易を繰り返させたため、仲左衛門と譜代勢力が激しく対立し、家中は大きく動揺しました。ついに仲左衛門の暗殺未遂事件が発生し、さらには本家筋にあたる仙台藩への直訴へと発展し、仲左衛門は仙台藩へお預けとなりました（山田騒動）。

この騒動の事後処理には宇和島藩も関与しており、最終的には宇和島藩と和解するに至りました。一説には、この騒動を好機として、宇和島藩が吉田藩への干渉を強めたとも言われています。

系譜

父：伊達秀宗（1591年 - 1658年）
母：吉井氏
正室：酒井宮内大輔忠勝の娘
室：奥村氏
次男：伊達宗保（1673年 - 1693年）
生母不明の子女
長男：小次郎
女子：池田由道正室
女子：
養子
* 女子：京極高令室 - 伊達宗職の娘

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