休眠口座

休眠口座とは

休眠口座（きゅうみんこうざ）とは、金融機関に預けられたまま何年も取引が行われていない状態の預金口座を指します。一般的には、預金者が入出金やその他の取引を行わないことにより、金融機関は預金者と連絡を取れなくなります。このため、この口座は「休眠預金」または「睡眠預金」とも呼ばれます。

日本における休眠口座

日本では、休眠口座が一定の手続きの後に銀行において利益計上される仕組みがあります。しかし、海外では預金者の保護を重視し、休眠預金について一元管理を行っている例が多く見られます。最近では、こうした休眠預金を用いて融資や投資が行われる取り組みが進んでいます。

法的特徴と消滅時効

日本における預貯金は、基本的に金融機関にお金を預けることで生じる金銭債権の形をとっており、消滅時効は一般的に10年、商業的な債権においては5年と定められています。法人の預貯金は商法によって5年で消滅時効が適用されるのに対し、個人預貯金の場合は、銀行が関与する場合、野通常5年、他の金融機関では10年となるのが一般的です。

消滅時効の進行

消滅時効は、権利を行使できる時点から進行するため、預貯金の普通預金の場合は預け入れ時から、定期預金は満期時から開始されます。特に自動継続定期預金の場合、満期に到達した日が時効の起算点となります。また、時効は特定の行為により中断が可能であり、例えば、裁判上の請求や払戻請求が行われることによって進行が止まるため、通帳への利息記入や利息計算書の交付もこれに該当します。

休眠口座の管理実務

日本では、一般的な金融機関の預金、例えば普通銀行や信用金庫などにおける休眠口座については、最終取引から10年以上の経過後に預金者と連絡が取れなくなった場合、失効扱いとなります。訴訟が社会問題化した後、金銭の払戻しは原則として、本人確認書類を持参すれば可能です。ただし、非加盟の金融機関の場合はそれぞれ独自の対応が求められます。また、一部の銀行では休眠口座に対して管理手数料を取ることもあります。

休眠預金活用法の施行

2018年の休眠預金活用法の施行により、特定の条件を満たす預金は、預金保険機構に管理が移管されることになりました。この措置により、銀行や信用金庫、農業協同組合などの預金が対象となります。具体的には、普通預金や定期預金などがこれに該当し、最終異動日から10年が経過していることが条件とされています。

海外における取り組み

他国でも休眠口座の活用に関する政策が進められています。例えば、イギリスでは2008年に協会口座設置法が施行され、休眠口座の資金を用いて社会的な支援活動が行われる仕組みが整備されました。韓国でも、休眠口座を活用し貧困層へのマイクロファイナンス事業を展開する取り組みが行われています。

これらの施策は、単に休眠口座を放置するのではなく、積極的な資金活用によって社会に貢献することを目的としています。

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