会津地震

会津地震（あいづじしん）の概要と影響

会津地震は、1611年9月27日（旧暦で慶長16年8月21日）に福島県会津地方で発生した直下型の地震で、一般的には「慶長会津地震」または「会津慶長地震」として知られています。この地震の震源地は会津盆地西縁断層帯の付近であるとされ、マグニチュードは約6.9に達し、特に震源が浅かったために局地的においては震度6強から7に相当する強い揺れを引き起こしました。

地震の影響は広範囲に及び、特に会津一円で甚大な被害が報告されています。倒壊した家屋は2万戸を超え、推計で3,700人もの命が失われました。鶴ヶ城の石垣が崩れ、天守閣も傾くなど歴史的建造物にも多大な影響を及ぼしました。また、会津坂下町の恵隆寺や柳津町の円蔵寺など、地域の文化財も被害を受けました。

さらに、地震によって地滑りや山崩れが発生し、特に喜多方市北部では土砂崩れが起きて新たに大平沼が形成されました。飯谷山においては大規模な崩壊が起き、98人の犠牲者を出しました。地滑りによって生まれた白沼（小杉山沼）は未だにその水を湛えています。

また、喜多方市慶徳町周辺では、地震と大規模な土砂災害が重なり、阿賀川が堰き止められる事態が生じました。この結果、約10-16平方キロメートルの面積を持つ山崎新湖が誕生し、23もの集落が浸水しました。蒲生秀行をはじめとする地域の責任者たちは、早急に河道のバイパスを設置し水の排出を試みましたが、水が完全に引くには34年または55年を要しました。多くの住民が移転を強いられ、旧越後街道の一部は湖に水没してしまったため、通行ルートが変更され、会津坂下町はその結果として新たな繁栄を見せることとなりました。

この大地震の影響は、地元の歴史や文化にも深い痕跡を残しましたが、また一方で、この地震自体が猪苗代湖の形成に関与したという誤解が広がりました。実際には、猪苗代湖は火山活動や地殻変動によって、何万年もの時間をかけて形成されたもので、この地震とは関係がありませんでした。

附記

会津地震は、当時の人々にとって大きな衝撃であったと同時に、その後の地域の発展にも影響を及ぼしました。江戸時代の地震の記録や資料からも、その影響の広がりが伺えますが、以降、会津地方では盆地を震源とするような大規模な地震は発生していないことが記されています。これにより、会津地方はその後の発展の基盤を築くことができたと考えられています。

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