会津破蔵事件

会津破蔵事件は、1948年（昭和23年）春頃より、日本の福島県会津地方で連続して発生した窃盗事件です。この事件には、朝鮮籍の男性3人組が関与していたことが後に判明しました。

戦後混乱期にあった1948年春頃から、会津地方では土蔵を狙った窃盗事件が頻発するようになりました。地域住民が金品や貴重品を保管する土蔵が次々と被害に遭い、住民の間には不安が広がりました。手口や発生状況に共通点が見られたことから、警察は連続犯によるものと判断しました。

事態を重視した国家地方警察福島県本部は、若松地区警察署内に捜査本部を設置。会津管内の各警察署と合同で、広範囲にわたる捜査を開始しました。しかし、犯人グループは巧妙であり、捜査は難航しました。

事件発生から約一年半後の1949年10月、捜査により一人の容疑者が逮捕されました。この逮捕を機に、これまで不明だった連続犯行の実態が徐々に明らかになり、一連の土蔵破り事件が3人組のグループによる組織的な犯行であったことが判明しました。

明らかになった犯人グループは朝鮮籍の3人組で、いずれも窃盗の前科を持つ常習犯でした。彼らは以前から個別に窃盗を繰り返していましたが、共同で土蔵破りを行うようになったと見られています。

警察が証拠を固め、容疑が確定した犯行だけでも16件に上りました。これらの連続土蔵破りによる被害総額は、当時の金額で87万円に達しました。これは当時の社会情勢下では相当な金額であり、地域に与えた影響は大きいものでした。

盗み出された金品は既に売却されており、得た金銭は遊興費として費消されていたことが判明しました。

会津破蔵事件は、戦後混乱期の会津地方で発生した大規模な連続窃盗事件として記録されています。警察の捜査により全貌が解明され、当時の社会状況や犯罪状況を示す事例の一つとなっています。

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