伝え反り

伝え反り（つたえぞり）は、大相撲における決まり手の一つです。相手力士の腋の下を潜り抜けるように体勢を低くし、そのまま相手を後方へと反り倒す高度な技として知られています。

この技は、2000年12月に新たな決まり手として制定されました。制定以降、幕内力士の間では、非常に珍しい技として認識されており、2025年1月場所までにわずか4度しか記録されていません。

具体的な記録としては、以下の取り組みが挙げられます。

2002年9月場所3日目：朝青龍が貴ノ浪に対し、伝え反りを決める
2022年9月場所4日目：宇良が宝富士に対し、伝え反りを決める
2024年1月場所千秋楽：宇良が竜電に対し、伝え反りを決める
2025年1月場所4日目：宇良が高安に対し、伝え反りを決める

特に宇良は、近年この技を複数回成功させており、伝え反りの使い手として注目を集めています。

また、十両の取り組みにおいては、過去に2度の記録があります。

2006年3月場所12日目：里山が琉鵬に対し、伝え反りを決める
2007年11月場所10日目：里山が栃乃花に対し、伝え反りを決める

里山もまた、この珍しい技を成功させた力士として記録されています。

伝え反りの特徴的な体勢は、上体を大きく反らせる点にあります。この体勢が、2006年のトリノオリンピックで金メダルを獲得したフィギュアスケート選手の荒川静香が得意とした技「イナバウアー」を連想させるとして、話題になったこともありました。珍しい決まり手であることに加えて、その見た目のインパクトから、「イナバウアー」という言葉が使われ、注目を集めました。

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