伝染性無乳症

伝染性無乳症とは

伝染性無乳症（でんせんせいむにゅうしょう）は、マイコプラズマによって引き起こされる感染症で、主にヒツジやヤギに影響を及ぼします。この病気は、感染力が非常に強いのが特徴で、飛沫感染や接触感染、さらには経口感染を通じて広がります。また、母体から子へ感染が伝播することもあり、これを垂直感染と呼びます。

感染の原因

日本においては、ヒツジで見られる主要な病原体はMycoplasma agalactiaeであり、ヤギではMycoplasma mycoidesサブスぺシーズや、Mycoplasma capricolumサブスぺシーズなどが関与しています。これらのマイコプラズマは家畜の健康に深刻な影響を与えるため、早期の発見と対応が求められます。

症状と影響

この感染症の症状は多くの場合、慢性的な経過を辿ります。最も顕著な症状は乳量の減少ですが、他にも関節炎や角結膜炎が見られることがあります。進行すると、敗血症に至り、最悪の場合は死亡することもあります。また、妊娠中の動物においては流産が引き起こされることもあります。これらの症状は特にヒツジやヤギにとって深刻な問題であり、農業経営に多大な影響を及ぼします。

日本における発生状況

日本国内での感染症の発生は、1991年に沖縄県で初めて確認されて以来、2023年の時点でも散発的に沖縄県で発生し続けています。このため、定期的な監視や予防措置が求められています。

治療と予防

日本では、伝染性無乳症に対するワクチンが存在しないため、治療が重要になります。治療にはテトラサイクリン系の抗生物質やマクロライド系、ニューキノロン系の合成抗菌薬が用いられますが、感染の広がりを抑えるためには、早期に適切な治療を行うことが重要です。

まとめ

伝染性無乳症はヒツジやヤギにとって重要な感染症であり、その感染力や多様な症状により、農業においても注意が必要です。適切な治療と予防を行うことで、感染を最小限に抑えることが可能です。基本的な情報を把握し、適切な対策を講じることが重要です。

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