伝説のヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜

「伝説のヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜」（We Are Young）は、アメリカのポップロックバンド、FUN.が2011年にリリースした楽曲です。ゲストボーカルとしてジャネール・モネイが参加しています。

この曲は、FUN.の2枚目のスタジオアルバム「サム・ナイツ〜蒼い夜〜」からの最初のシングルとして発売されました。翌年にはBillboard Hot 100で1位を獲得し、世界中で大ヒットを記録しました。2023年9月時点で、Spotifyでの再生回数は10億回を超えています。

制作背景

FUN.は、デビューアルバムこそ商業的な成功を収められなかったものの、次作「サム・ナイツ〜蒼い夜〜」の制作にあたり、プロデューサーにジェフ・バスカーを迎えました。バンドのフロントマンであるネイト・ルイスは、バスカーとの初対面時、緊張を隠せずにいたようです。一方、バスカーは当時、ビヨンセやカニエ・ウエストらとの仕事で多忙を極めており、FUN.との会談には消極的でした。しかし、ルイスの音楽に対する熱意に触れ、わずか10分の予定だった会談は、その場でスタジオ予約をするほどの展開に変わりました。

レコーディングは、ジャングル・シティで始まりました。バスカーは、ドラムやベースのパートを打ち込み、ボーカルとピアノを加えました。その後、複数のスタジオで追加のボーカル、ギター、ピアノの録音を行い、児童合唱団やオーケストラのレコーディングも行いました。モネイをゲストボーカルとして招いたのは、バスカーとの友情がきっかけでした。モネイは、楽曲の間奏部分で印象的な歌声を披露しています。ミキシングは、バスカーが約2週間かけて行ったそうです。

バスカーは、楽曲のコーラスにおけるルイスのボーカルに、クイーンのフレディ・マーキュリーのような雰囲気を感じたそうです。また、ギタリストのジャック・アントノフは、この曲を「アルバムでやりたかったことの核」と表現しています。

歌詞と曲の構成

この曲のサウンドは、スタジアムロック、インディーロック、インディーポップと定義されています。楽曲はFメジャーで書かれており、テンポはセクションによって変化します。ヒップホップのリズムやグルーヴが取り入れられているのも特徴です。

歌詞は、ルイスが過去に経験した「最悪な酔い方をした夜」がもとになっているそうです。タクシーで嘔吐して追い出され、所持金を全て要求されたというエピソードは、この曲の歌詞に影響を与えています。

評価

「伝説のヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜」は、評論家からも高い評価を得ています。ローリング・ストーン誌は、この曲を「活気に満ちていてキャッチー」と評しました。また、この曲の商業的な成功については、「軽快なポップ・ノヴェルティ感」があると指摘する声もあります。MTVニュースは、この曲をバンドの「大ブレークとなったアンセム」と称し、「今年の最も意外な大騒ぎの1つ」と評しました。一方で、NME誌は10点満点中5点という評価を下しています。

チャート成績

この曲は、アメリカのラジオ局でヒットを記録した後、Billboard Hot 100で53位で初登場しました。その後、テレビドラマ「glee/グリー」でのカバーや、スーパーボウルでのパフォーマンスを経て、チャートを駆け上がり、ついに1位を獲得しました。アメリカでは、6週連続で1位を獲得し、ダウンロード数は600万を超えました。イギリスでも、全英シングルチャートで1位を獲得し、ミリオンセラーを達成しました。

ミュージックビデオ

この曲のミュージックビデオは、2011年12月に公開されました。監督はマーク・クラスフェルドが務め、ロサンゼルスのコンサートホールで撮影されました。ミュージックビデオは、FUN.の演奏シーンと、バーでの暴動シーンで構成されており、モネイやアントノフの姉も出演しています。ミュージックビデオの再生回数は10億回を超えています。

受賞歴

第55回グラミー賞では、最優秀楽曲賞を受賞しました。最優秀レコード賞や最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞にもノミネートされました。

演奏披露

FUN.は、数々のテレビ番組やイベントでこの曲を披露しました。特に、MTVムービー・アワード2012の授賞式では、この曲の生演奏でイベントが開始されました。

文化的な影響

「伝説のヤングマン〜ウィー・アー・ヤング〜」は、卒業ソングとしても人気が高く、様々な場面で使用されています。

楽曲の使用例

テレビドラマ、ドキュメンタリー、テレビCMなど、様々なメディアでこの曲が使用されています。

テレビドラマ
CHUCK/チャック|CHUCK_チャック
ゴシップガール
新ビバリーヒルズ青春白書
ドキュメンタリー
WWE ザ・ロック vs. ジョン・シナ
テレビCM
シボレー
タコベル
ソフトバンク

カバーバージョン

この曲は、多くのアーティストによってカバーされています。中でも、テレビドラマ「glee/グリー」でカバーされたバージョンは、大きな人気を集めました。ペンタトニックスやリトル・ミックスもカバーバージョンをリリースしています。

glee/グリー
ペンタトニックス
リトル・ミックス
伊藤祥平

シングル収録曲

全曲作詞作曲：ジェフ・バスカー、ネイト・ルイス、アンドリュー・ドスト、ジャック・アントノフ

演奏者

FUN.
ネイト・ルイス – ボーカル
ジャック・アントノフ – ギター、ベース
アンドリュー・ドスト – ピアノ
外部ミュージシャン
ジャネール・モネイ – ゲスト・ボーカル
ジェフ・バスカー – ピアノ、ローランド Juno-106、モーグ・シンセサイザー（ベース）、AKAI MPC3000（ドラム・ビート）、オーケストラ・アレンジ、コーラス・アレンジ
ロージー・ダンヴァーズ – オーケストラ・アレンジ
* トミー・D – オーケストラ・アレンジ

この楽曲は、そのキャッチーなメロディーと感動的な歌詞で、多くの人々に愛されています。リリースから10年以上経った今でも、色褪せることのない名曲と言えるでしょう。

もう一度検索