伯爵カインシリーズ

伯爵カインシリーズ

『伯爵カインシリーズ』は、由貴香織里によって描かれた、19世紀末のイギリス・ロンドンを舞台としたゴシックミステリー漫画です。花とゆめに連載され、以下の5部作で構成されています。

忘れられたジュリエット
少年の孵化する音
カフカ -kafka-
赤い羊の刻印（全2巻）
ゴッド チャイルド（全8巻）

ストーリー

物語は、ヴィクトリア時代のロンドンを舞台に展開されます。主人公は、幼くしてハーグリーヴズ家の当主となり、伯爵の地位を継承したカイン。彼は、自身の出自と実父からの虐待によって、危険な「毒」の収集家となります。

異母妹のマリーウェザー、執事のリフ、マリーに求婚するオスカーといった人々との交流の中で、カインは謎の秘密結社「DELILAH（デリラ）」と、その首領である死んだはずの父・アレクシスの存在を知ります。物語は、カインが自身の過去と向き合いながら、父との対決、そして「デリラ」の陰謀に立ち向かう姿を描いています。

ストーリーは、マザー・グースや『不思議の国のアリス』など、様々なモチーフを取り入れているのが特徴です。退廃的で耽美な世界観、複雑に絡み合う人間関係、そして予測不能な展開が、読者を魅了します。

登場人物

ハーグリーヴス家

カイン・C・ハーグリーヴス: ハーグリーヴズ家当主。表向きはアレクシスとレノラの息子だが、実際はアレクシスと実姉オーガスタの息子。毒薬収集が趣味。
マリーウェザー・ハーグリーヴス: カインの異母妹。下町育ちでお転婆な性格。カインを慕っている。
リフェール・ラフィット: カインに仕える執事。カインが絶対の信頼を置く。
アレクシス・ハーグリーヴス: ハーグリーヴズ家先代当主、カインとマリーウェザーの父。秘密結社「デリラ」の首領。
オーガスタ: アレクシスの姉で、カインの実母。アレクシスに強姦されカインを妊娠したことで精神を病む。

クロムウェル家

レナード・クロムウェル: ハーグリーヴス家の遠縁。日本人の瞳子と結婚。
瞳子・クロムウェル: レナードの妻。日本人。
アビゲイル・クロムウェル: レナードの後妻。
ルキア・クロムウェル: レナードと瞳子の娘。

カインと関わる者

オスカー・ゲイブリル: ゲイブリル男爵家の長男。カインを慕い、マリーに求婚する。
ドミニク・クレハドール: 霊媒師。

デリラ (DELILAH)

アレクシスを頂点とする秘密結社。医学と魔術を融合した組織で、ヨーロッパ各地に勢力を持つ。

ジザベル・ディズレーリ: 外科医。「Death」のカードを持つ。
カサンドラ・グラットストン: 慈善事業家。「The Hierophant」のカードを持つ。

書誌情報

単行本

忘れられたジュリエット（1992年）
少年の孵化する音（1993年）
カフカ -Kafka-（1994年）
赤い羊の刻印（1994年）
ゴッド チャイルド（2001年 - 2004年）

完全版『伯爵カインコレクション』

少年の孵化する音（2004年）
赤い羊の刻印（2005年）

文庫版『伯爵カイン』

少年の孵化する音（2009年）
赤い羊の刻印（2009年）
ゴッド チャイルド1 - 4（2009年 - 2010年）

関連情報

ドラマCDも発売されている。
マザーグース、切り裂きジャック、旧約聖書などがモチーフとして使われている。

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