伯玄社

伯玄社の紹介

伯玄社（はくげんしゃ）は、福岡県春日市の伯玄町にある神社で、古くから「伯玄さん」として親しまれてきました。この神社は、働き者で力持ちとされる伯玄を祀っています。神社は地域社会に根付いた信仰の場であり、地元の人々にとって重要な意味を持っています。

歴史的背景

1966年にこの神社のある丘で、中央公民館の建設に伴う埋蔵文化財の発掘調査が行われました。この調査によって、伯玄社として知られる遺跡が見つかりました。特に重要な発見は、神社の東側に移設する際に出土した鎌倉時代の人骨です。このことは、伯玄さんが実在の人物であった可能性を裏付けています。

『筑前国続風土記拾遺』には、「伯玄ヶ塔に石祠があり、伯玄の塚である」と記されており、これにより伯玄社の歴史的意義が強調されています。

伝承と祭り

地元の古老たちによると、伯玄社の高い石段を登ると、松林の中に藁ぶきのお堂が広がっているそうです。伯玄さんは働く神とされ、奉納の大わらじが常に飾られていました。毎年7月20日には、無病息災を願うための行事が行われ、子供たちは米一合を持ち寄っておにぎりを作って食べるのが恒例になっています。これらの伝承は、地域の人々にとっての信仰の深さを示しています。

石造物とその意義

伯玄社には多様な石造物が点在していますが、その中でも特に注目されるのは2基の板碑です。板碑は、形状から見て墳墓近くの供養塔として作られたと考えられています。さらに、この神社には馬守護神塔や高皇産霊尊（たかみむすびのみこと）塔なども存在し、地域の歴史や文化を反映しています。

馬守護神塔

馬守護神塔には「天保三年」（1832年）の記年があり、大谷小学校建設の際に、字大南からここに移設されたことが分かっています。このあたりには、昔から馬のつくろい場があったため、神社の存在はその伝統と関連性があると思われています。

高皇産霊尊塔

高皇産霊尊塔は、文政2年（1819年）に作られたもので、非常に大きな自然石で作られています。高皇産霊尊は農業の神だから、農業と関連が深いことが理解できます。さらに、お堂の裏には石殿があり、その正面の奥には「大己彦神（おおなむちのひこがみ）」の彫りがあり、裏面には「寛政十一年」（1799年）の記年が記されています。

まとめ

伯玄社は、福岡県春日市において地域の人々の信仰を受け継ぎ、歴史的にも重要な場所であることが分かります。古老の伝承、文化財の発掘、そして数々の石造物は、地域の過去を今に伝えています。この神社は、単なる神社を超え、地域の文化や伝統を学ぶ場としても価値を持つ場所です。

もう一度検索