伴俊男 (漫画家)

伴俊男：漫画家としての軌跡と手塚治虫との関係

伴俊男（ばん としお）は、1953年生まれの京都府京都市出身の漫画家です。彼のキャリアは、日本を代表する漫画家、手塚治虫との深い繋がりによって彩られています。

1974年、伴は小室孝太郎氏の推薦により、手塚プロダクションに入社。伝説的な漫画家である手塚治虫のアシスタントとして、その才能を開花させていきます。多忙な制作現場において、伴は手塚作品制作に携わる重要な役割を担いました。その間、『ブラック・ジャック』、『三つ目がとおる』、『ユニコ』など、現在もなお愛され続ける数々の名作の制作に貢献しています。他にも『シュマリ』、『陽だまりの樹』、『アドルフに告ぐ』、『火の鳥』（乱世編、異形編、太陽編）といった、手塚作品の中でも特に代表的な作品のアシスタントとして参加しました。

2年間のアシスタント経験の後、一度は手塚プロダクションを退社しますが、1979年には契約社員として復帰。その後、手塚治虫の死去まで、雑誌漫画の制作現場のサブチーフとして活躍を続けました。

手塚治虫は、アシスタントの早期独立を推奨していたとされていますが、伴は例外的に長期に渡り在籍しました。その結果、手塚治虫の死去1ヶ月前、入院中の手塚から「まだ手塚プロにいたのか!?いったい何年いるんだ!?自分のマンガはどうした!!」と電話で叱咤されたという逸話も残されています。このエピソードは、伴の漫画家としての強い意志と、手塚治虫との特別な関係性を示唆するものです。

伴俊男の代表作として広く知られているのが、朝日新聞社の『アサヒグラフ』に連載された『手塚治虫物語』です。1989年8月25日から1991年7月26日にかけて連載され、その後単行本化もされました。この作品は、手塚治虫の生涯と業績を克明に描いた伝記漫画であり、伴の漫画家としての高い描写力とストーリーテリング能力を余すことなく発揮した作品となっています。1992年5月、手塚プロダクション漫画部が解散する際には、最後の社員となりました。

伴俊男は、漫画家としての活動において数々の賞を受賞しています。1972年、1973年、1976年には、手塚賞佳作を受賞。才能を早くから認められていたことがわかります。

手塚プロダクションでの経験の後も、伴は精力的に作品を発表し続けました。『伝記世界の偉人』シリーズや『基礎のバイク・トラブル・シューティング』といった、多様なテーマの作品を手掛けています。他にも、学習漫画や歴史漫画など、幅広いジャンルの作品に携わり、その才能を活かして活躍を続けています。『手塚治虫物語』は、複数の出版社から繰り返し刊行されており、その人気と評価の高さが伺えます。

伴俊男は、単に手塚治虫のアシスタントとしてだけでなく、自らも才能あふれる漫画家として、多様な作品を生み出し続けています。彼の作品は、幅広い読者層に支持されており、日本の漫画界に貢献してきた功績は計り知れません。

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