似たもの一家

似たもの一家

『似たもの一家』（にたものいっか）は、著名な漫画家長谷川町子によって1949年4月から同年12月まで『週刊朝日』に連載された作品です。この漫画は、後に彼女の代表作である『サザエさん』に深く関連しており、キャラクターなどが多く出演しています。初版の単行本は姉妹社から出版されていましたが、その会社の廃業に伴い絶版となり、一時的に見ることができなくなりました。しかし、1998年に朝日新聞社によって復刊され、その後2001年には朝日文庫としても発刊されました。

作品の特徴と形式

本作は、一般的な4コマ形式ではなくショートコミックスタイルで描かれており、長谷川町子作品の中でも独特の位置を占めています。特に、本作の連載が終了した時期は、ちょうど『サザエさん』の連載が始まった頃でもあり、長谷川自身は、朝日新聞が持つ影響力や舞台としての価値を考慮し、より注力するために『似たもの一家』を終了したと語っています。彼女は自伝的エッセイ『サザエさんうちあけ話』の中で、この決断について詳述しています。

主な登場人物

『似たもの一家』には、多くのキャラクターが登場し、いくつかは後に『サザエさん』や映画、ドラマなどの二次的メディアに引き継がれました。

• - 伊佐坂 難物（いささか なんぶつ）: 父親役であり作家。若いころは歌舞伎の女形を目指したが、挫折して作家となりました。短気で偏屈な性格であり、しばしば笑い者となります。

• - 伊佐坂 軽（いささか かる）: 難物の妻。明るくおおらかな性格で、学生時代のあだ名はカッパです。

• - 伊佐坂 じん六（いささか じんろく）: 長男で学生。学業には苦労しているが、非常に機転が利いて子供たちとも良い関係を保ちます。

• - 伊佐坂 浮え（いささか うきえ）: じん六の妹。快活でおしゃべりな女学生です。

• - のん助: おじであり、作家志望。性格はそそっかしいです。

• - お手伝いさん: 伊佐坂家で働く家政婦。

• - トンダさん: 隣家に住む未亡人で、彼女の子供たちはじん六や浮えと同じような姿を持ちます。

エピソードと展開

連載終了から約3年後、『サザエさん』に伊佐坂一家がゲストとして登場し、磯野フネと伊佐坂軽の女学校時代の同級生としての関係が紹介されています。また、単行本も朝日新聞社から出版されており、傑作選も楽しむことができます。
このように『似たもの一家』は、長谷川町子の作品群の中でも特有の魅力を持った作品であり、今でも多くの読者に愛されています。

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