女
学校(じょがっこう)は、日本における女子
教育を提供する
学校の一形式であり、特に第二次世界大戦以前にその存在が顕著でした。この言葉自体は江戸時代にも使用されており、当時は女子が学ぶ普遍的な
学校を示していました。しかし、明治時代に入ると、「女
学校」という表現は明確に
中等教育機関を指すようになります。
初期の女子教育
江戸時代の
女性は、家庭や地域での共同作業を通じ、実生活に必要な知識や技術を習得していました。
寺子屋に通う女子は少なく、一般的には男子に比べると
教育機会が限られていました。
教育の中心は家庭にあり、「婦徳」の
教育が重視されていました。
明治維新期になると、新たに女子のための
学校を設置する提案が出され、特に
藩立
学校(
藩校)による女子
教育の設立が試みられました。
明治時代の発展
明治4年、
文部省は東京に上記の「女
学校」としての官立
学校を開設しました。東京女
学校は1875年に設立され、女子の
中等教育を効果的に促進する模範となりました。他にも、地方の
藩でも女子
教育を進めるために、「女
学校」の設立が進み、家事や手芸など、実生活に役立つ
教育が実施されました。私立女
学校もこの時期に増え、特にキリスト教系の
学校が重要な役割を果たしました。
高等女学校の制度化
1895年に高等女
学校令が施行され、女子の
中等教育の制度化が進みました。これにより、女子は正式に高等女
学校や実業
学校に入学できるようになり、多くの地域で「女
学校」という名称の
学校が設置されました。
学校では、裁縫や家事に加え、一般的な
教育も行われ、女子に必要な技能が重視されました。さらに、1920年には国民道徳や婦徳の涵養が盛り込まれた高等女
学校令改正がありました。
大正から昭和初期への発展
特に大正時代の後半には、女子
教育が急速に発展し、数多くの高等女
学校が設立されました。この時期、
学校数は395校から985校に倍増し、生徒数も大幅に増加しました。このようにして、女
学校はただの裁縫
学校や実業
学校にとどまらず、実践的な知識と教養を身につける場となっていきました。
戦時体制下の変化
1930年代には、戦時体制により高等女
学校が996校から1299校に増えました。1943年には
中等学校令が公布され、高等女
学校や実業
学校は同一の制度下に統合され、修学期間が4年に定められました。これにより、女
学校の地位は大きく変わり、戦争の影響を受けた
教育体系が整備されていきました。
現在の女学校の状況
2020年代においても、「女
学校」との呼称を持つ
学校は存在しています。例として、香蘭女
学校や捜真女
学校などがあり、これらは
戦前の伝統を受け継ぎ、今もなお女子
教育の担い手として活動しています。女
学校はその歴史を通じて、日本における
女性の地位向上や
教育において重要な役割を果たしてきました。