低速度走査テレビジョン

低速度走査テレビジョン（SSTV）は、無線通信、中でも短波帯において、狭い帯域幅で低速度の映像をやり取りするためのテレビジョン方式です。アマチュア無線などで利用されています。

SSTVの仕組み

通常、テレビ放送は広帯域幅を必要としますが、SSTVでは映像をゆっくりと走査することで、音声信号に近い帯域幅に圧縮します。これにより、短波帯のような狭い帯域幅の無線回線でも映像を伝送することが可能になります。

必要な機材

SSTVを運用するためには、以下の機材が必要となります。

トランシーバー: 無線信号の送受信を行います。
スロー・スキャン・コンバーター: 映像信号をSSTV形式に変換、または受信したSSTV信号を映像信号に変換します。近年では、パソコンにSSTVソフトウェアを導入することで、この役割を代替できます。
テレビカメラ: 映像をSSTV信号に変換するために使用します。デジタルカメラやスマートフォンなども利用可能です。
テレビ受像機またはパソコン: 受信したSSTV信号を映像として表示します。パソコンの場合は、SSTVソフトウェアを使用します。

SSTVの運用

パソコンにSSTVソフトウェアをインストールし、トランシーバーと接続することで、比較的簡単にSSTVの運用を開始できます。ソフトウェアがスロー・スキャン・コンバーターの役割を果たすため、特別なハードウェアを用意する必要がありません。

受像方法

かつては、長残光ブラウン管を利用して、低速度走査から直接画像を得るという受像方法もありました。しかし、この方法は特殊な機材が必要となるため、現在では一般的ではありません。

SSTVの魅力

SSTVは、限られた帯域幅で映像を伝送できるという特性から、アマチュア無線家にとって魅力的な通信手段です。遠隔地との間で画像情報を共有したり、イベントの様子を伝えたりするなど、様々な活用方法があります。

まとめ

低速度走査テレビジョン（SSTV）は、無線通信における映像伝送の可能性を広げる技術です。手軽に始められるSSTVソフトウェアの登場により、ますます多くの人々がSSTVを楽しんでいます。

SSTV入門!! - ウェイバックマシン（2018年11月6日アーカイブ分）

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