住吉川 (大分県)

住吉川（すみよしがわ）とは

住吉川は、大分県大分市の中心部を流れる二級水系住吉川の本流であり、地域住民からは「毘沙門川（びしゃもんがわ）」という別名でも親しまれています。この川は、大分市の西部に源を発し、市街地を通り抜けて別府湾へと注ぐ、地域にとって重要な河川です。

地理

住吉川は、大分市西部の金谷迫を水源としています。そこから東へ流れ、大分自動車道に沿って進みます。大分インターチェンジ（IC）付近で流れの向きを北東に変え、市街地の西部を貫流し、最終的には大分川のやや西側で別府湾の住吉泊地に流れ込みます。この流れは、大分市の地形と密接に結びついており、市街地形成にも影響を与えてきました。

流域の自治体

住吉川の流域に含まれる自治体は、大分県の大分市のみです。この川は、大分市の都市活動と深く関わりながら流れており、その存在は地域住民の生活、環境、文化に不可欠なものとなっています。

自然・環境

住吉川の中下流域は、都市化の影響を受けて都市下水路化が進んでいます。この状況を改善するため、大分市は1988年（昭和63年）10月に住吉川浄化推進協議会を発足させました。公共下水道の整備や浄化槽設置の推進など、川の浄化対策に積極的に取り組んでいます。また、1995年度（平成7年度）からは、上流の椎迫地区でホタルの幼虫や餌となるカワニナを放流し、1997年（平成9年）6月にはホタルが10数匹飛翔しているのが確認されています。これらの取り組みは、都市部においても自然を取り戻そうとする人々の努力を象徴するものです。

歴史

住吉川は、歴史的にも重要な役割を果たしてきました。慶長13年（1608年）には、住吉川の河口に京泊という港が築かれ、参勤交代の御座船が発着していました。この港は、当時の交通と物流の要所であり、地域の発展に大きく貢献しました。享和3年（1803年）に完成した『豊後国志』の附図には、大分川が河口付近で現在よりも西向きに流れ、府内城の北側で住吉川と合流してから別府湾に注ぐ様子が描かれています。この図は、当時の河川の流れと地形を理解する上で貴重な資料となっています。

並行する交通

住吉川に並行する交通路としては、以下のものが挙げられます。

道路
大分自動車道
大分県道21号大分臼杵線

これらの道路は、住吉川の周辺地域へのアクセスを支え、人や物の流れを円滑にしています。

外部リンク

住吉川の浄化対策に関するより詳しい情報は、以下の大分市の公式サイトで確認できます。

住吉川浄化対策推進事業 - 大分市

関連項目

住吉川に興味を持たれた方は、以下の関連情報もご覧ください。

* 日本の川一覧

住吉川は、大分市の発展と歴史を見守ってきた重要な河川です。その歴史、地理、環境を知ることは、地域への理解を深める上で大変意義深いものです。

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