住吉神社 (角田市)

住吉神社（すみよしじんじゃ）について

住吉神社は宮城県角田市に位置する神社で、村社として知られています。この神社は表筒之男命（別名：磐土神）、中筒之男命（別名：赤土神）、底筒之男命（別名：底土神）という男命三神を祀っています。

由緒と歴史

住吉神社が鎮座する場所は、古代から重要な地域であった「郡山遺跡」の一部です。平成17年度に行われた発掘調査では、神社近くの畑から滑石子持ち勾玉が出土しており、平安時代前半（8世紀-9世紀頃）にはここで神事や祈願が行われていたと考えられています。

初めは「住吉山医王寺」という名称で崇敬されていました。当時は神仏混合の時代で、住吉三神と薬師如来が同時に祀られていたため、病気治療や地域の安定を求める場とされていました。

鎌倉時代の1326年、後醍醐天皇の御代に、摂津国の住吉神社から住吉三神の御分霊が勧請されることで正式に「住吉神社」と名付けられましたが、この際、地域の人々からは「嘉暦明神」とも呼ばれていました。当時、神社は地域を流れる人々の信仰の対象となっていました。

重要な出来事

安永8年（1780年）に発行された『安永風土記』によると、元禄14年頃（1702年）に住吉山医王寺において新たな寺院が開院されました。しかし、この寺院は火災に見舞われ、社殿や財産が焼失しました。焼失後、1712年に再興され、「住吉神社」と改称されて地域の守り神として機能し始めました。

昭和54年（1979年）には本格的な瓦葺きの建物跡が発掘され、神社の隆盛を物語る資料として評価されています。また、神職家の小梨家の歴代墓所からは有名な法印や権僧都の名が残っており、代々神社の管理を担っていたことがわかります。

明治時代に入ると、神仏分離令が出され、住吉神社は完全に寺院から分離されました。1880年に村社に列せられ、1907年には幣帛供進神社に指定されるまでに成長しました。神社の運営は小梨善光によって引き継がれ、その後も小梨家が神社の社家として奉仕し続けています。

境内施設

住吉神社の境内には、第一鳥居と第二鳥居が設けられています。参道やその周囲からは伊具郡衙に使われたとされる布目瓦が発掘されています。また、参道の途中には「道祖大神・丑寅居内明神」という石祠があります。

社殿には、拝殿、幣殿、一間社流造の本殿があり、石の礎石の一部には伊具郡衙のものが使用されています。境内社には、養蚕に関連する「蚕神様社」や、蛇を祀る「巳待の石碑」、猫神を祀る石碑など、多くの文化的遺産があります。また、約700年前に生育した御神木や、古い絵馬堂も存在します。

住吉神社はその文化的価値や歴史的背景を有し、地域の人々に新たな信仰の場として受け入れられています。神社は古来より続く信仰の象徴であり、多くの人々に親しまれている場所として、地域の歴史に深く根ざしています。

もう一度検索