住宅金融組合

住宅金融組合について

住宅金融組合は、イギリスにおいて銀行業務や多様な金融サービスを提供する組織で、特に住宅ローンが主要な役割を果たしています。この制度の起源は19世紀に遡り、当時の労働者たちが貯蓄を寄せ集めて住宅を購入または建設するための協同組合としてスタートしました。

起源と歴史

最初の住宅金融組合は1774年にバーミンガムで創立されました。初期の組合は完結型であり、全てのメンバーが住宅を購入した段階で解散していました。この形態は1980年まで続きましたが、1830年代から1840年代にかけては常設の住宅金融組合も登場し、メンバーが住宅を購入するたびに新しいメンバーを受け入れるシステムが確立されました。

1874年に制定された「住宅金融組合法」は、これらの組合に法的な枠組みを提供し、その後も1894年、1939年、1960年に改正が行われて現在に至ります。この時期、数百の組合が設立され、地域ごとの組合が存在していました。しかし、時代の流れとともに合併が進み、多くの小規模組合が消え、大型の組合が残る結果となりました。

1980年代の変革

1980年代に、イギリスの銀行法が改正され、住宅金融組合は銀行と同様の業務を行えるようになりました。しかし、経営陣の中には、これまで通りの組合形態では銀行に対抗できないと考える声があったため、新しい住宅金融組合法が制定されました。この法律により、組合が非協同組合型に転換することが可能になり、75％以上のメンバーの賛成があれば株式を発行することもできるようになりました。

この結果、一部の組合は非協同組合化し、一般投資家に対しても開かれたものになりました。しかし、この変化は「カーペットバッガー」と呼ばれる短期的利益を追求する投資家を引き寄せ、組合員や経営者に対する不利益を引き起こす結果となりました。元々相互組織モデルであったため、運営コストだけを上乗せして安価で質の良い住宅ローンを提供できていたことが、彼らの利益追求によって損なわれました。

現在の状況

1990年代の終わり頃には、このような問題から多くの組合が定款を見直し、新たに加入するメンバーに対する利益の配分を制限するようになりました。この動きにより、非協同組合化の速度は鈍化し、住宅金融組合は独自のスタンスと特性を保持しつつ、今もなお多くの顧客に支持され続けています。

こうした歴史的背景と変革を経て、現在の住宅金融組合は、全国で数十の大規模な組織として存在し、預金と住宅ローンの分野で銀行と競い合いながら運営されています。

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