佐々木貴賀

佐々木 貴賀（ささき きよし、1981年9月15日生まれ）は、大阪府で生を受け、幼少期に香川県高松市へ移り住んだ元プロ野球選手です。左投げ左打ちの投手として、主にNPBの北海道日本ハムファイターズでプレーしました。

野球との出会いは小学3年生の時でした。中学時代は外野手としてプレーしていましたが、高松西高校に進学後、その強肩を見抜いた監督によって投手に転向することになります。厳しいトレーニングを積む中で、彼の速球は徐々に威力を増し、最速で150km/hを記録するまでに成長しました。高校2年の秋にはチームのエースとなり、3年春の県大会では参考記録ながらノーヒットノーランを達成するなど、投手としての才能を開花させました。しかし、最後の夏は惜しくも甲子園出場は叶いませんでした。

1999年のNPBドラフト会議において、日本ハムファイターズから4位指名を受け、プロ入りの夢を叶えます。契約金4000万円、年俸450万円（推定）で契約を結び、プロ野球選手としての第一歩を踏み出しました。

プロ入り1年目の2000年10月1日、オリックス・ブルーウェーブ戦で待望のプロ初登板を果たしました。この時の登板はリリーフで、1回を無失点に抑え、初奪三振も記録しています。翌2001年には、同じくオリックス戦でプロ入り後初めて先発のマウンドに上がり、さらに同年7月3日のオリックス戦では、リリーフ登板ながらプロ初勝利を挙げました。プロ入り後は、主に中継ぎ投手としてチームを支えました。

しかし、2002年にはシーズンで12個の暴投を記録し、これがその年のリーグ最多暴投となりました。特に、投球回数42回という中で記録されたこの数字は、多くの暴投を記録した投手の中でも高い割合を示していました。投球フォームについても試行錯誤があり、2005年の夏頃には従来のオーバースローからサイドスローへの転向を決断しています。

度重なる投球スタイルの変化や怪我の影響か、2006年には一度も一軍のマウンドに上がることができず、同年9月29日、球団から戦力外通告を受けました。その後、12月1日付で自由契約選手として公示され、プロ野球選手としてのキャリアを終えることとなりました。日本ハムでの7年間、背番号は一貫して「45」を背負いました。

グラウンドを離れた佐々木氏には、意外な一面があります。特に知られているのが、少女マンガのようなイラストを描くことです。この趣味は入団当時から知られており、球団が発行する二軍情報誌「梨に向かって打て」には、彼の描いたイラストが3度にわたって掲載された経験を持ちます。描いた作品としては、人気マンガ「ああっ女神さまっ」「天上天下」「るろうに剣心」のキャラクターなどが挙げられます。また、グラウンド上での心構えとして、好きな漢字に「鬼」を挙げ、グラブや帽子にその文字を入れるほど、強い精神力を重視していたことも語られています。さらに、音楽面ではヘヴィメタルを好むなど、その人物像は多岐にわたる興味に彩られていました。

このように、佐々木貴賀氏はプロ野球選手としての一歩を踏み出し、印象的な記録や活躍を見せた一方で、そのユニークな趣味や考え方でもファンに記憶される存在でした。彼のプロ野球人生は長くはなかったものの、その軌跡は多くの人々に影響を与えました。

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