佐久小諸ジャンクション

佐久小諸ジャンクション：上信越と中部横断を結ぶ交通の要衝

佐久小諸ジャンクションは、長野県小諸市に位置し、上信越自動車道と中部横断自動車道を接続する重要なジャンクションです。その敷地の一部は佐久市にもまたがっています。 当初は「佐久ジャンクション」という仮称で建設が進められていましたが、正式名称決定までの過程には、佐久市と小諸市の間で幾多の議論がありました。

複雑な経緯を辿った名称決定

2009年、ジャンクションの名称を巡り、佐久地方11市町村長による検討懇談会が設置されました。佐久市側は、高速道路路線指定政令で中部横断自動車道の終点が佐久市とされていること、また佐久地方全体を代表する名称として「佐久JCT」を主張しました。一方、小諸市側は、ジャンクションの約98%が小諸市内に位置することから「小諸佐久JCT」を提案しました。両市の主張は対立し、協議は難航しました。

最終的には、川上村村長の調停により、「佐久小諸JCT」という名称で合意に至りました。この合意には、周辺ICや料金所の名称に関する条件も含まれていました。佐久市側は隣接するインターチェンジを「佐久北IC」に、小諸市側は隣接する料金所を「小諸御影料金所」と名付けることで合意が成立しました。この合意は、単なる名称決定にとどまらず、両市の利害調整の成果と言えるでしょう。

この名称決定における経緯は、佐久市と小諸市の長年にわたる地域間の関係性を反映していると言えるでしょう。1997年の長野新幹線（現・北陸新幹線）佐久平駅名称決定時にも同様の対立がありましたが、当時の長野県知事の仲介により解決した経緯があります。

佐久小諸ジャンクションの周辺とアクセス

佐久小諸ジャンクションは、[上信越自動車道]と[中部横断自動車道]の接続点として機能しています。上信越自動車道では、佐久ICと小諸ICの間に位置し、中部横断自動車道では、佐久北ICと小諸御影料金所とを結んでいます。

上信越自動車道: (7) 佐久IC - (7-1) 佐久小諸JCT - (8) 小諸IC
中部横断自動車道: 佐久北IC - 小諸御影TB - (7-1) 佐久小諸JCT

このジャンクションの開通は、両自動車道の利便性を向上させ、地域経済の発展に貢献しています。また、地域の交通インフラ整備における協調と合意形成の重要性を示す事例として、注目に値します。

開通と周辺イベント

中部横断自動車道 佐久南IC-佐久小諸JCT間が開通した2011年3月26日、佐久小諸ジャンクションは供用開始となりました。開通を記念し、2010年には佐久北IC-佐久小諸JCT間を歩くイベント「ハイウェイウォークこもろ」が開催されるなど、地域を挙げての歓迎ムードが高まりました。

まとめ

佐久小諸ジャンクションは、単なる道路の接続点ではなく、佐久市と小諸市の協調と合意形成の歴史を刻む重要な地点です。その名称決定過程は、地域間の調整と合意形成の難しさ、そしてその重要性を改めて認識させる事例となっています。今後も、地域交通網の中核として、重要な役割を果たしていくことでしょう。

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