佐久間レールパーク

佐久間レールパークの歴史と概要

佐久間レールパークは、静岡県浜松市天竜区に位置する鉄道車両博物館であり、1991年4月21日に開館しました。この施設は、JR東海の飯田線・中部天竜駅構内に設けられ、昭和初期から中期にかけて活躍した鉄道車両を数多く展示していました。

開設の背景には、当時のJR東海社長であった須田寬氏の発案があります。中部天竜機関区の跡地を利用したことで、広大なスペースを確保できたことや、佐久間ダム建設に伴って飯田線が重要な役割を果たしていたことが、場所の選定に影響を与えました。

鉄道車両の展示

博物館内には、日本最大規模のプラレールやNゲージの大パノラマがあり、訪れる人々を魅了しました。また、鉄道車両だけでなく、模型や実物の部品も展示されており、飯田線の歴史を伝える写真展示も行われていました。これらの展示物は、鉄道ファンだけでなく、家族連れや子どもたちにも楽しんでもらえる内容でした。

営業情報

佐久間レールパークは土日や祝日、振替休日には訪問者を受け入れていましたが、毎年12月から翌年2月までは休館となっていました。開館時間は午前10時から午後4時まで、入場料金も手頃で、大人は140円、小人は70円、6歳以下は無料という設定でした。また、中部天竜駅への入場券があれば、入場は無料になる特典もありました。

閉館とその背景

しかし、2008年5月22日にJR東海から、展示されていた多くの車両をリニア・鉄道館に移設する計画が発表されました。この発表後、佐久間レールパークは2009年11月1日に閉館し、約18年の歴史に幕を下ろしました。須田氏の言葉によると、ここは気温の変動が激しく、特に冬季には車両が痛むことが多く、これが移転の一因となったとのことです。

閉館イベント

閉館に際して、さまざまなイベントが行われ、特に2009年には特別なスタンプラリーや急行列車「佐久間レールパーク号」が運行され、多くのファンが訪れました。また、閉館当日には、施設自体が無料開放されるフィナーレイベントも行われ、訪れる人々の思い出を深めました。

展示車両の一部

展示されていた車両の中には、新幹線電車の0系や、様々な電気機関車、電車、気動車、客車、貨車も含まれていました。リニア・鉄道館に移設された一部の車両はそのまま記録に残されていますが、移設されなかった車両は2010年には解体されてしまいました。特に、キハ82 73が特別に展示されたことも記憶に残ります。

皆さんが訪れた思い出深い佐久間レールパークは、鉄道の歴史や文化を身近に感じることのできる貴重な場所でした。その閉館は多くの鉄道ファンにとって悲しい出来事となりましたが、その思い出は今も多くの人々の心に残っています。

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