佐伯昌優

佐伯昌優九段：長く第一線で活躍した棋士の生涯

佐伯昌優九段は、1936年8月4日、鳥取県東伯郡赤碕町（現・琴浦町）に生まれました。5歳の頃、兄の影響で将棋を始め、その才能を開花させます。1952年、奨励会に入会。1959年、関東優勝を果たし、東西決戦で勝利を収めてプロ棋士（四段）となりました。

プロ入り後は、順位戦で着実に実力をつけます。1961年度の第16期順位戦C級2組では10勝2敗の好成績で1位となり、見事初昇級。その後も順位戦で着実に昇級を重ね、1974年度にはB級2組で7勝3敗の2位という成績を収め、A級昇級まであと一歩に迫るB級1組への昇級を果たしました。B級1組には5期連続で在籍し、佐伯九段の棋士としてのキャリアにおける最高位となりました。

順位戦以外にも、数々の棋戦で活躍しました。1963年には第7回古豪新鋭戦で優勝。翌1964年には第14回東西対抗勝継戦で6人抜きを達成するなど、棋戦での強さを見せつけました。また、1972年には第21期棋聖戦で準決勝に進出。1980年代には、棋王戦、NHK杯戦、棋聖戦、王座戦の本戦で活躍し、1985年度の第35回NHK杯戦ではベスト4入りを果たしました。1989年度の竜王戦3組では準優勝。決勝では羽生善治五段（当時）に敗れましたが、その実力を示しました。さらに、1992年度の順位戦B級2組では、当時26連勝中だった森内俊之を破る金星を挙げました。

1999年度のC級2組順位戦後、フリークラスへ転出。そして2002年、フリークラス規定により定年で引退しました。現役生活では通算542勝682敗という成績を残しました。引退後も、後進の指導や普及活動に尽力し、神奈川県藤沢市に道場を設立して指導にあたっています。ハイキングを趣味とし、日々の生活のストレスを解消しているとのことです。

佐伯九段は、数々のタイトルを獲得したわけではないものの、長年にわたって第一線で活躍し、多くの後進を育成した実力者です。その棋士人生は、将棋界に多大な貢献を果たしたと言えるでしょう。

佐伯昌優九段の主な成績

棋戦優勝：古豪新鋭戦（1回）、東西対抗勝継戦（1回）
NHK杯戦：ベスト4（1回）
竜王戦3組：準優勝（1回）

佐伯昌優九段の昇段履歴

1952年：奨励会入会（6級）
1956年：初段
1959年10月1日：四段
1962年4月1日：五段
1964年4月1日：六段
1973年11月3日：七段
1987年3月26日：八段
2002年3月31日：引退
2007年4月1日：九段（引退棋士規定）

受賞歴

現役勤続40年表彰（1999年）
第38回将棋大賞 東京記者会賞（2011年）

著書

『将棋必修・この一手』（1966年）
『駒落将棋必勝法』（1966年）
『段級判定詰将棋新作234題』（1967年）
『実力を上げる 将棋新作問題集』（1977年）

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