佐伯有一

佐伯有一のプロフィールと業績

佐伯有一（さえき ゆういち）は、1923年2月11日に兵庫県で生まれた日本の著名な中国史学者です。彼は、主に東洋経済史や中国近現代史を専門としており、学術界において大きな影響を及ぼしました。1998年2月24日に没するまで、彼の貢献は多岐にわたり、多数の著書や論文を発表しています。

学歴と職歴

佐伯は1950年に東京大学文学部で東洋史学を専攻し、卒業後は同大学の大学院に進学。しかし、1951年には退学し、東京大学東洋文化研究所の助手として学術的キャリアをスタートさせました。その後、1957年には東京都立大学の助教授に就任し、1963年には再び東京大学に戻り、東洋文化研究所の助教授となります。

彼は1968年に教授に昇進し、1974年から1976年の間には東洋文化研究所の所長を務めました。1983年には定年退官し、その後は名誉教授の地位に就き、お茶の水女子大学および川村学園女子大学で教授として後進の指導に当たりました。

主な著作

佐伯の著作は豊富で、多くの人々に影響を与えました。彼の単著として特に重要なのは、1975年に刊行された『中国の歴史 8 近代中国』です。この書籍は、近代中国の経済や社会について深く掘り下げたもので、彼の専門性が良く表れています。

また、彼は共編著や論文も多数手がけており、特に1983年に発表された『中国経済関係雑誌記事総目録』は彼の卓越した研究力を証明する作品となりました。

代表的な論文

佐伯の論文は、彼が考察した中国の経済や社会の実態を明らかにするものが多いです。ここではいくつかの代表的な論文を紹介します。

• - 「明代中国ニ於ケル物資ノ流通ト管理～華北河川下流地域ヲ中心ニ～」（1940年）
• - 「明代ノ物資管理ト地方官僚～幾戸ヲ中心ニ～」（1943年）
• - 「明代匠役制の崩壊と都市絹織物業流通市場の展開」（1956年）
• - 「1601年”織傭之変”をめぐる諸問題～1～」（1968年）

これらの論文は、明代の経済制度や社会構造に関する重要な分析を提供しており、学術界でも高く評価されています。

弟子とその影響

佐伯は多くの優秀な弟子を育成しました。その中には、濱下武志や加藤祐三、信州大学の久保亨などが含まれています。彼らはそれぞれの分野で活躍し、佐伯の学問的遺産を引き継いでいます。

結論

佐伯有一は、日本における中国史学の発展に多大な影響を与えた学者です。彼の研究は、東洋経済史や近現代史の理解を深める上で欠かせないものであり、今なお多くの学者たちに刺激を与え続けています。

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