佐伯町 (岡山県)

佐伯町（さえきちょう）：岡山県和気郡に存在した町の記憶

佐伯町は、かつて岡山県の中東部、和気郡に位置していた町です。2006年3月1日に和気町との合併により姿を消し、新たに和気町として再出発しました。旧佐伯町役場は、現在は和気町役場佐伯庁舎として利用されています。

地理：吉井川が育む自然と人々の暮らし

佐伯町の地域は、大部分が山林で覆われており、豊かな自然に恵まれていました。町の中心部を、吉井川が北から南へと流れ、その流域に沿って人々の生活が営まれていました。特に、吉井川が大きく蛇行する場所には小盆地が形成され、町役場をはじめ、商店や工場などの施設が集積し、佐伯町の行政・商工業の中心地となっていました。

山：妙見山 (519m)
河川：吉井川
湖沼：田尻大池

歴史：戦国時代から近代まで

佐伯町の歴史は古く、戦国時代には浦上宗景が天神山城を築き、備前国・美作国に勢力を拡大していました。江戸時代には、吉井川を高瀬舟が行き交い、佐伯は重要な寄港地の一つとして発展しました。1923年には片上鉄道が開通し、地域の発展に貢献しました。

しかし、1991年には同和鉱業片上鉄道が廃線となり、鉄道輸送の歴史に幕を閉じました。そして、2006年、佐伯町は和気町との合併を選択し、新たな歴史を歩み始めました。

沿革

1955年（昭和30年）3月31日：赤磐郡佐伯村、和気郡山田村、塩田村の3村が合併し、町制を施行。
1991年（平成3年）6月30日：同和鉱業片上鉄道が廃線。
2006年（平成18年）3月1日：和気町と合併し、新・和気町が誕生。

行政：合併への道のり

佐伯町は、和気町との合併に向けて様々な取り組みを行いました。2005年には一度合併協定書に調印しましたが、議会が合併議案を否決し、合併は立ち消えとなりました。しかし、住民投票の結果、町長と議会のリコールが成立し、出直し選挙で合併推進派が勝利したことで、再び合併協議が再開されました。そして、期日を1年遅らせ、2006年3月1日に和気町との合併が実現しました。

歴代町長

竹内一郎（昭和30-38年）
幸坂孝（昭和38-平成3年）
尾崎忠信（平成11-平成17年）
坪井迪郎（平成3-11年、2005年2月27日当選）

経済と産業：農業と企業誘致

佐伯町の経済は、農業が中心でしたが、企業誘致にも力を入れ、町内にはいくつかの工場が立地していました。

主な企業・工場

ケーブル工業岡山工場
桃谷順天館岡山工場
イトーヨーギョー佐伯工場
メイト（地場企業）

姉妹都市：廿日市市との交流

佐伯町は、広島県の廿日市市と姉妹都市提携を結び、交流を深めていました（1997年11月20日提携）。

教育：地域を支える学び舎

佐伯町には、佐伯小学校、山田小学校（廃校）、佐伯中学校があり、地域の子どもたちの教育を担っていました。

交通：鉄道廃止と道路網

佐伯町内には、かつて片上鉄道が通っていましたが、1991年に廃止されました。現在は、JR西日本山陽本線の和気駅または熊山駅が最寄りの駅となっています。道路網としては、美作岡山道路佐伯インターチェンジがあり、国道374号、国道484号、岡山県道などが整備されていました。

名所・旧跡・観光スポット：自然と歴史に触れる

佐伯町には、佐伯ファミリーパーク、岡山県自然保護センター、天神山城址など、自然や歴史に触れることができるスポットがありました。

佐伯町は、和気町との合併によりその名Memory消えましたが、その歴史と文化は、和気町の一部として今も息づいています。

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