吉井川

吉井川

吉井川は、岡山県の東部を流れる一級河川であり、岡山三大河川の一つとして知られています。その源を苫田[[郡]]鏡野町の三国山に発し、南へと流れ、津山市街地を東へと蛇行した後、再び南下します。和気[[郡]]和気町で南西に転じ、岡山市東部で児島湾へと注ぎます。

歴史

かつては、備前国と美作国の境界として機能していた時代もありました。現在の「吉井川」という名称は、岡山市北東部の吉井地区に由来しています。赤磐市吉井町も、この川の名前にちなんで名付けられました。古くは、沿岸の地名から「周匝川」「福岡川」「和気川」「津山川」「奥津川」「雄神川」など、様々な名前で呼ばれていました。

流域

吉井川は、以下の自治体を流れています。

岡山県
苫田[[郡]]鏡野町
津山市
久米[[郡]]美咲町
赤磐市
和気[[郡]]和気町
備前市
瀬戸内市
岡山市東区

主な支流

香々美川：鏡野町
加茂川：津山市
皿川：津山市
吉野川：美作市
八塔寺川

水害の歴史

吉井川は、過去に何度も水害を引き起こしており、その記録が残っています。

1590年：水害により、刀工集団である備前長船派が壊滅的な被害を受けました。
1621年：水害により、津山周辺の川筋が南へと変化しました。
1673年5月：水害により、堤防の決壊や橋の流失が相次ぎました。
1680年5月：水害により、氾濫が発生しました。
1712年7月：増水により、吉井での水位が3.3mに達しました。
1745年6月：水害により、旭川とともに氾濫し、死者2名、家屋流出200戸の被害が出ました。
1785年7月：増水による氾濫が発生しました。
1789年：増水により、邑久郡福井村長船町の堤防が決壊しました。
1871年5月：増水により、各地で氾濫が発生。津山市では、河原町、伏見町、材木町が浸水。長船町では堤防が決壊し、邑久郡一帯が浸水しました。
1892年7月：台風により氾濫が発生しました。
1912年7月10日：岡山県東北部で集中豪雨が発生し、雄川橋、永安橋が流失しました。
1934年9月20日：室戸台風による氾濫が発生しました。
1943年7月：集中豪雨により上流域で氾濫が発生しました。
1945年9月17日：枕崎台風による氾濫が発生しました。
1963年7月10日：英田郡、勝田郡一帯で集中豪雨による氾濫が発生しました。
1979年10月19日：台風20号により氾濫が発生し、死者・行方不明者4名が出ました。

生態系

吉井川には、アユモドキ（固有種）やスイゲンゼニタナゴなどの淡水魚が生息しています。

主な利水施設

吉井川水系には、以下のダムなどの利水施設があります。

恩原ダム（岡山県苫田[[郡]]鏡野町）
苫田ダム（岡山県苫田[[郡]]鏡野町久田下原）
香々美ダム（岡山県苫田[[郡]]鏡野町鏡野町越畑）
黒木ダム（岡山県津山市加茂町黒木）
津川ダム（岡山県津山市奥津川/津山市加茂町下津川）

流域の観光地

吉井川流域には、以下の観光地があります。

奥津温泉（岡山県苫田[[郡]]鏡野町奥津）
湯郷温泉（岡山県美作市湯郷、吉野川沿岸）

並行する交通

吉井川には、以下の鉄道や道路が並行しています。

鉄道

JR西日本姫新線（院庄駅 - 東津山駅間で並行）
JR西日本山陽本線（和気駅 - 万富駅間で並行）
JR西日本赤穂線（香登駅 - 西大寺駅間で並行）
かつては、同和鉱業片上鉄道線が和気町 - 柵原町（現・美咲町）間で並行していましたが、1991年6月30日に廃止されました。現在は、その廃線跡がサイクリングロード（片鉄ロマン街道）として整備されています。

道路

国道179号（鏡野町上齋原～津山市で並行）
国道374号（赤磐市吉井～和気町で並行）

倉安川

倉安川は、吉井川と旭川を結ぶ全長約20km、幅約7mの水路です。1679年（延宝7年）に岡山藩藩主の池田光政が津田永忠に命じて開削させたもので、水運と灌漑の機能を持っています。吉井川側の起点である岡山市東区吉井にある倉安川吉井水門は、岡山県指定の史跡であり、閘門が設置されています。

関連項目

コイヘルペスウイルス：吉井川水系（宮川および児島湖）で日本初の感染が確認されました。
ポーラテレビ小説：第9作「吉井川」(1972年　主演：本阿弥周子)

外部リンク

国土交通省中国地方整備局岡山河川事務所

参考文献

* (ここに参考文献を記載)

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