佐伯進

佐伯進の生涯と業績

佐伯進（さえき すすむ、1925年5月13日 - 2021年7月1日）は、日本の実業界において著名な人物であり、ノリタケカンパニーリミテドの社長や中部経済同友会の代表幹事、そして名城大学の理事長などを務めました。彼は、その生涯を通じて多くの業績と貢献を残し、勲三等瑞宝章や藍綬褒章、スリランカラトナ勲章など、多くの栄誉を受けています。

幼少期と教育

愛知県で生まれた佐伯は、父の佐伯卯四郎の影響も受け、早くからビジネスに関心を持って育ちました。旧制愛知一中を経て、1943年には東京商科大学（後の一橋大学）の予科に入学しますが、1945年に陸軍予備士官学校を卒業。その後、1948年に同大学を卒業し、日本陶器に入社しました。彼は大学時代に古川栄一ゼミナールに所属し、ビジネスの基盤を築くための知識を得ました。

日本陶器でのキャリア

佐伯は、日本陶器において一貫して営業部門でのキャリアを築き上げました。本社での営業業務をはじめ、ニューヨークにて通算17年間、海外での業務に従事します。この経験が、彼の国際感覚やビジネスセンスを磨くこととなりました。彼は1971年に取締役、1973年には常務取締役、1981年には専務取締役、1985年には代表取締役副社長に就任します。

1987年、倉田隆文の後を受けてノリタケカンパニーリミテドの社長に就任し、1990年には陶芸教室「ノリタケ陶芸クラブ」を設立しました。彼のリーダーシップの下、ノリタケは成長を続け、1991年には売上高が初めて1000億円を超えました。この成功は、彼の営業戦略や市場に対する洞察力の賜物です。

経済界での影響力

佐伯は、業界団体や経済団体でも活躍し、1985年には研削砥石工業会の会長に、1990年には中部経済同友会の代表幹事に就任。2000年には愛知県雇用開発協会の会長に就任し、地域経済の発展にも寄与しました。また、1999年には相談役、2000年には顧問として会社に関与し続けました。彼の貢献は経済界で広く認識され、1993年には社長を退任し、空席の会長職に就任しました。

受賞歴と私生活

佐伯は、1989年に藍綬褒章を受章し、1998年にはスリランカの雇用と輸出振興に貢献したとしてラトナ勲章を受けるなど、数々の栄誉を受けました。彼は、名古屋商工会議所の副会頭や財団法人森村豊明会の理事長、愛知一中会・鯱光会の副会長など、多くの役職を務めました。

私生活では一女を持ち、長女は中国系アメリカ人と結婚し、1987年には孫が誕生しました。血液型はO型であり、スポーツ観戦が趣味でした。彼の愛読書は、父から勧められて読んだ『大学』であり、尊敬する経営者として土光敏夫の名を挙げています。また、彼が座右の銘としていたのは、森村財閥創業者・森村市左衛門の「人は感激に生き、保守に死す。世物皆進むありて、止まる事なし」という言葉です。

まとめ

佐伯進の生涯は、日本の実業界において多くの足跡を残し続けました。彼の業績は、企業の成長や地域経済の発展に大きく寄与しており、後進への影響も計り知れません。彼が追求したビジネスの哲学や彼の行動は、今後の世代にとっても重要な示唆を与えることでしょう。

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