佐川和夫

佐川 和夫 (さがわ かずお)

佐川和夫は、1939年10月29日生まれの日本の特撮監督であり、特撮界において数々の名作に関与してきました。彼は日本大学藝術学部での学びの中、円谷特技研究所に通い、特撮の技術を習得するために円谷英二に師事しました。その後、東宝映画の撮影現場でキャリアを積み、1963年には円谷特技プロダクションが創立されると同時に入社しました。

佐川は『ウルトラQ』で特撮班の撮影助手として活動を始め、『ウルトラマン』では高野宏一が担当になったため、キャメラマンに昇進しました。『ウルトラセブン』でも特撮の撮影技師として貢献し、1968年に放送された『マイティジャック』では特技監督デビューを果たしました。彼は『帰ってきたウルトラマン』の第13話で初めてウルトラシリーズの特撮監督を務め、多くの円谷作品に関わりました。

1977年にはフリーに転身し、1979年の『バトルフィーバーJ』で東映特撮作品にも携わるようになりました。1980年から1996年にかけては特撮研究所が扱う作品中心に活動。その後、1982年にデン・フィルム・エフェクトに在籍し、1985年に再びフリーとして再スタートを切りました。

1993年に『電光超人グリッドマン』で円谷作品に復帰し、その後『ウルトラマンティガ』では16年ぶりにウルトラシリーズの特技監督を担当しました。彼は『ウルトラマンダイナ』『ウルトラマンガイア』『ウルトラマンコスモス』の特撮監督としてもその手腕を発揮しましたが、2002年には特撮監督の職を引退。『ウルトラマンコスモス』の第65話が最後の演出作品となりました。引退後も時折特撮関連のムックでインタビューを受け、彼の見解や思いを伝えています。

作風

佐川の特技監督としてのスタイルは、ダイナミックなメカ描写の巧みさが特長で、「飛びの佐川」という愛称でも知られています。カメラマンとしてのバックグラウンドを活かし、撮影技術に対する深い知識を持ちます。特に『マイティジャック』ではハイスピードカメラ技術を駆使し、『スターウルフ』ではネガフィルムの反転を応用した合成を実現しました。彼は時には妥協を許さず、特撮のクオリティを追求する性格から、テレビシリーズ初期の数話で制作予算を使い果たしてしまうことがあったとも言われています。

主な特技監督作品

テレビ

• - ウルトラシリーズ

- 帰ってきたウルトラマン (1971-1972)
- ウルトラマンA (1972-1973)
- ウルトラマンタロウ (1973-1974)
- ウルトラマン80 (1980-1981)
- ウルトラマンティガ (1996-1997)
- ウルトラマンダイナ (1997-1998)
- ウルトラマンガイア (1998-1999)
- ウルトラマンコスモス (2001-2002)

• - スーパー戦隊シリーズ

- バトルフィーバーJ (1979-1980)
- 電子戦隊デンジマン (1980-1981)

• - 円谷プロ作品

- マイティジャック (1968)
- 怪奇大作戦 (1968-1969)
- ミラーマン (1971-1972)
- 電光超人グリッドマン (1993-1994)

映画

• - ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団 (1974)
• - ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT (2001)
• - 極底探険船ポーラーボーラ (1977)
• - 孔雀王 アシュラ伝説 (1990)

佐川和夫は日本の特撮界に多大な影響を与えた人物で、その作品は世代を超えて多くのファンに支持されています。彼の情熱や技術への探求心は、現在の特撮作品にも息づいています。

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