ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団

『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』

概要

『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』は、1974年に制作された円谷プロダクションとチャイヨー・プロダクションの合作映画であり、タイで先に公開された後、1979年3月に日本でも上映されました。この映画の特徴は、インド神話のキャラクターである白猿ハヌマーンと、日本のウルトラマンたちが共演して怪獣に立ち向かうストーリーです。物語は、仏像泥棒によって命を奪われた少年コチャンが、ウルトラの母によってハヌマーンとして蘇り、ウルトラ6兄弟と共に怪獣軍団と戦う様子を描いています。

ストーリー

映画の冒頭では、コチャン少年が仏像泥棒に襲われて命を落とします。しかし、ウルトラの母が彼をハヌマーンとして復活させ、タイの平和を守るために立ち上がります。ハヌマーンはその巨体と力強い戦闘スタイルで、仏像を奪った強盗を追い詰め、「仏様を大切にしろ！」と叫びながら次々と敵を排除していきます。

さらに、作品はタイの文化に影響されたユニークな要素があり、ハヌマーンが太陽の神と対話して水不足を解決するシーンや、「卍」のポーズで飛行するシーンなど、多彩な表現が盛り込まれています。終盤に差し掛かると、ハヌマーンとウルトラ6兄弟が協力して怪獣軍団に立ち向かい、壮絶なバトルを繰り広げます。怪獣たちはウルトラ戦士に無惨に倒され、観客は痛快な戦いに釘付けになるでしょう。

制作背景

1970年代半ば、タイでは日本の漫画やアニメが人気で、本作品が制作されるきっかけとなりました。チャイヨー・プロの社長が日本に留学していた経験から、円谷プロとの強い結びつきが生まれました。また、タイ語では「6」という数字が縁起が悪いとされ、「7人のウルトラマン」としてタイトルが変更されたこともあります。これは、タイの文化や言語に配慮した結果でした。

技術と演出

本作の特撮シーンには、当時の特撮技術が駆使されており、特にハヌマーンのデザインはタイのスタッフによって考案されました。ハヌマーンの勇姿や特殊能力は、映画に色を添える重要な要素であり、視覚効果や音楽も素晴らしい出来映えです。音楽も、円谷プロの作品から多くの楽曲が流用されており、特に『ウルトラセブン』のテーマが印象的でした。

権利と公開

公開当時、円谷プロとチャイヨー・プロの権利関係は複雑で、以降の再編集作や続編にまで影響を及ぼしました。本作の日本国内での映像ソフト化は困難なままであり、特に最近では権利問題が取りざたされています。

結論

『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』は、インド神話と日本の特撮が融合したユニークな作品であり、タイの文化や神話を体現したエンターテイメントです。彼らが怪獣に立ち向かう姿は、ただの娯楽を超えて、観る者に感動を与えることでしょう。この映画は、日本のウルトラシリーズファンだけでなく、広く愛される作品として今日も語り継がれています。

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