佐竹俊郎

佐竹俊郎（さたけ としろう、1947年11月22日 - 2003年5月28日）は、日本のシンガーソングライター及び実業家であり、1960年代半ばから関西フォークの先駆者として知られています。彼はシンガーソングライターとしてのキャリアを築く一方で、経営者としても成功を収めました。特に、彼が作詞・作曲した楽曲『今はもうだれも』は、アリスによってカバーされ、広く知られています。

佐竹は京都府で生まれ、1965年に立命館大学経済学部に在籍しながら、フォーク音楽に目覚めました。大学時代には、山本逸士、杉田二郎、土井月子と共に「モダンルーツ・シンガーズ」と名付けたコピーバンドを結成。このバンドは、アメリカのフォークグループ「ピーター・ポール&マリー」の楽曲を模しており、地域のコンサートなどに積極的に参加しました。その中で、フォークソングに対する情熱が芽生え、佐竹は1966年に音楽サークル「ダイム・コンサート」を設立。これは、以降1988年まで続く音楽活動の土台となりました。

1969年に、彼は自ら作詞・作曲した『今はもうだれも』を「ウッディ・ウー」としてレコーディングし、日本コロムビアからシングル盤をリリース。この楽曲はオリコンの66位にランクインし、プロデビューを果たします。1970年代に入ると、東芝音工に移籍し、活動の場が広がります。1975年には、アリスがこの楽曲をシングルリリースし、アリスにとっての初めてのヒットとなるなど、彼の音楽は多くの人々に支持されました。

音楽活動とは別に、佐竹は経営者としても注目される存在でした。彼は「ニッシン」という京都市に本社を置く歯科材料を製造・販売する企業の経営者でもあり、経営の幅を広げるため、1980年代末にはアメリカにおけるネイル製品の需要に気づき、ネイル材料の製造に着手しました。このようにして、彼は音楽だけでなくビジネスの面でも成功を収めました。

しかし、2003年5月28日に佐竹は55歳でこの世を去ります。学生時代からの仲間たちやファンは、その死を悼み、彼の遺志を引き継ぐために、同年6月30日に社葬を行った後、11月23日に京都市内で追悼ダイムコンサートを開催。このコンサートは、彼の影響を受けた人々によって毎年行われることとなり、彼の音楽とその精神は今なお多くの人に生き続けています。

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