ピーター・ポール&マリー

ピーター・ポール＆マリー（Peter, Paul and Mary）

ピーター・ポール＆マリーは、1960年代にアメリカの音楽シーンで大きな影響を持ったフォークトリオです。メンバーはピーター・ヤーロウ、ノエル・ポール・ストゥーキー、そしてマリー・トラヴァースの三人で構成されています。このグループは当時の社会の変革期に、特にベトナム戦争を背景にした反戦メッセージを広める役割を果たしました。彼らの愛称はPP&MまたはPPMとも呼ばれています。

歴史的背景

ピーター・ポール＆マリーは、1961年に結成されました。生みの親であるマネージャーのアルバート・グロスマンは、そのビジュアルと音楽的な調和を持った「スーパーグループ」をイメージしていました。彼らの最初のパフォーマンスは、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにあるコーヒーハウス「ビターエンド」で行われ、ここはフォークソングファンにとって非常に人気のある場所でした。

彼らは1962年にリリースしたデビューシングル「レモン・トゥリー」で注目を集め、続いて同年の5月にファーストアルバム『ピーター・ポール＆マリー』が登場します。そのアルバムには、「500マイル」や「花はどこへ行った」などの名曲が収録されており、ビルボードのトップ10に長期間留まりました。

1963年には新曲「パフ」をリリースし、これも全米でヒットしました。また同年、ボブ・ディランの「風に吹かれて」をカバーし、こちらも全米での成功を収めます。そして彼らは、1963年8月28日にワシントンで行われた「大行進」において、「天使のハンマー」を歌い、この行進は公民権運動の象徴的なイベントとなりました。

日本での活動

1964年には初めて日本を訪問し、その後も頻繁に公演を行いました。特に1967年にはライブアルバム『In Japan』も制作しています。彼らは明るいメロディと社会的メッセージを歌い上げ、多くのファンの心を掴みました。

解散と再結成

1970年、メンバーはそれぞれのソロ活動を追求するために解散しましたが、ソロキャリアは当時のグループ活躍時ほどの成功には至りませんでした。しかし、ストゥーキーの「ウェディング・ソング」は非常に人気になり、結婚式の定番ナンバーとなりました。1978年には原発反対運動への支援コンサートのために再結成し、その後は年間40回のコンサートを行いました。

受容と影響

1999年にヴォーカルグループの殿堂入りを果たし、長いキャリアを通じて多くの影響を与えた彼らは、2005年にマリーが白血病と診断されたことから一時的に活動を休止します。2009年9月、マリーは病気により亡くなりましたが、彼女の音楽とメッセージは今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

作品

ピーター・ポール＆マリーは数多くのアルバムをリリースしました。その中には、1962年の『Peter, Paul and Mary』、1963年の『Moving』、1978年の『Reunion』などがあります。また、彼らの楽曲はドラマや映画にも使用され、幅広い世代に親しまれています。特に「風に吹かれて」は、1983年のTBS系ドラマ『金曜日の妻たちへ』での主題歌としても知られています。音楽だけでなく、社会運動への参加を通じて支持を広げた彼らの歴史は、今も多くの人に語り継がれています。

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