佐竹政和

佐竹 政和氏（1947年5月11日生まれ、大阪府出身）は、日本の元アマチュア野球選手、および指導者です。主に捕手として活躍し、引退後は野球解説者としても活動しました。

高校時代、扇町商業高校で捕手として才能を発揮。2年生だった1964年秋季の近畿大会府予選では準決勝まで駒を進めましたが、興國高校に抑えられ、決勝進出は叶いませんでした。

高校卒業後、関西大学へ進学。大学では、同期のエース久保田美郎氏とバッテリーを組み、チームの中心選手として活躍しました。関西六大学野球リーグでは、1967年春季にチームを優勝に導き、その後、1969年には主将としてチームを牽引。春秋季リーグでの連続優勝という快挙を達成し、その手腕と貢献が認められ、記者クラブ賞を受賞しました。しかし、同年開催された全日本大学野球選手権大会では準決勝まで勝ち進んだものの、強力な投手力を誇る日本大学に完封負けを喫し、全国制覇には届きませんでした。大学には1年後輩に外野手の白滝政孝氏がいました。

大学卒業後、日本生命に入社。社会人野球の舞台へと移ります。入社した1970年の都市対抗野球大会には、左翼手、そして四番打者という打撃力を買われた起用で出場しました。チームは2回戦まで進みましたが、三菱重工神戸に敗れています。その後、1972年からは本来のポジションである捕手へと戻り、マスクをかぶることになりました。捕手として復帰後、1977年の都市対抗ではチームを準々決勝まで導きましたが、熊谷組に敗退しました。

1979年からは選手としての活動を続けながら、監督も兼任するようになります。同年にはチームが都市対抗野球大会へ10年連続出場を果たし、その功績により表彰を受けました。監督兼任選手として迎えた1981年の社会人野球日本選手権では、百村茂樹氏や佐藤清氏らの強力な打線に支えられ、準決勝まで進出。大昭和製紙北海道に敗れはしたものの、この大会での捕手としての卓越したプレーが高く評価され、優秀選手賞を獲得しました。さらに、1983年の社会人野球日本選手権でも再び準決勝まで勝ち進みましたが、東芝に惜敗し、またしても決勝進出はなりませんでした。しかし、同年には捕手部門で社会人ベストナインにも選出され、個人としても輝かしい成績を残しました。

佐竹氏のキャリアの頂点の一つと言えるのが、監督としてチームを率いた1985年の都市対抗野球大会です。決勝戦で東芝を相手に劇的な逆転勝利を収め、日本生命野球部を創部初の全国制覇へと導くという歴史的な偉業を達成しました。また、チームはこの年、都市対抗野球大会への20年連続出場という金字塔を打ち立て、特別表彰も受けています。

選手としても国際舞台での経験が豊富で、アマチュア野球日本代表として数多くの国際大会に出場しました。具体的には、1975年のインターコンチネンタルカップや、1976年、1978年、1980年のアマチュア野球世界選手権において、日の丸を背負い世界の強豪と戦いました。

1986年に現役選手としての活動を終え、引退しました。引退後も野球との関わりは途絶えず、1996年には山形県のスポーツアドバイザーを務める傍ら、長年にわたり高校野球の解説者としても活動し、その深い知識と経験を多くの野球ファンに伝えました。そして、2009年には豊田大谷高校の監督に就任するなど、後進の指導にも尽力し、アマチュア野球界の発展に貢献し続けました。佐竹政和氏は、選手として、監督として、そして解説者・指導者として、多岐にわたりアマチュア野球に貢献した人物です。

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