佐竹義胤

佐竹義胤（さたけ よしたね）

佐竹義胤は、鎌倉時代中期に活躍した武将で、常陸佐竹氏の6代目当主にあたります。1227年に生まれ、1278年に没しました。父は5代目当主の佐竹長義、母は宍戸家周の娘です。官位としては、讃岐守と常陸介を兼任しました。

生涯と事績

義胤は、常陸国（現在の茨城県北部）を中心に勢力を拡大し、現在の福島県いわき市付近までを支配下に置きました。1276年には、稲荷山松吟寺（現在の茨城県常陸大宮市）を建立したとされています。この寺は、当時の宗教文化を物語る重要な史跡の一つです。

子孫

義胤には、多くの子供たちがおり、彼らは各地に散らばって佐竹氏の勢力拡大に貢献しました。長男の行義が家督を継ぎ、佐竹氏の家系を繋いでいきました。次男（または四男）の三郎義綱（宗義）は、母方の親族である岩崎氏の娘を娶り、陸奥国岩城郡小川郷（現在のいわき市）に移り住みました。彼は小川又二郎大和守と名乗り、この地で勢力を築きました。

三男の義信（義貞）は、稲木宮内大輔義繁を養子に迎えました。四男の義照（義煕）も岩城郡豊間（現在のいわき市豊間）に移り住み、豊間彦四郎と名乗りました。また、五男の高部五郎景義もおり、彼らも各地で活躍しました。

これらの子孫たちは、それぞれの地で佐竹氏の勢力を広げ、鎌倉時代から戦国時代にかけて、その名を知られる一族として歴史に名を刻みました。

参考文献

茨城県史　中世編
磐城古代記補遺
鎌倉新仏教の研究（今井雅晴著、吉川弘文館、1991年出版）
奥七郡から出発　茨城・常陸佐竹氏の軌跡
* レファレンス協同ベース > いわき市小川町における中世の豪族・佐竹氏について

もう一度検索