佐竹長義

佐竹長義（さたけ ながよし）

佐竹長義は、鎌倉時代に活躍した武将で、常陸佐竹氏の五代目当主です。承元元年（1207年）に生まれ、文永9年7月26日（1272年8月21日）に没しました。父は四代目当主の佐竹義重、母は河井忠遠の娘です。彼は「大山道義」という号でも知られています。

生涯

長義は通称を次郎といい、宍戸家周の娘と結婚し、その後、二階堂行義の娘を継室に迎えました。祖父である佐竹秀義の妻、つまり長義の祖母にあたる陽雲寺殿の冥福を祈るため、陽雲寺を建立したと伝えられています。また、文永6年（1269年）には荒廃していた観音堂を再興し、「妙福山明王院佐竹寺」（佐竹寺）と改名、寺領を寄進して祈願寺としました。この佐竹寺は、一説には醍醐寺三宝院の法流をくむ真言宗に改められたとも言われています。

子孫

長義には、義胤、伊豆王丸（二階堂行義の娘の子）という二人の息子がおり、他に4人の娘がいたとされています。そのうちの一人は国井弘義（四郎次郎）の妻となりました。息子の伊豆王丸は、久慈郡太田郷にある勝楽寺の熊野堂に寄進を行ったと伝えられています。

脚注

水戸市史（第1巻）
常陸太田市史　通史編（第1巻）
* 東国における仏教諸宗派の展開（内山純子、1990年発行）

これらの史料から、佐竹長義の生涯や活動、そして彼が残した足跡を垣間見ることができます。特に寺社の再興や寄進は、当時の社会における仏教の重要性を示すとともに、佐竹氏が地域社会に深く関わっていたことを物語っています。

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