佐竹義輔

佐竹義輔について

佐竹義輔（さたけ よしすけ、1902年8月8日 - 2000年3月31日）は、数多くの業績を残した日本の植物学者です。彼は佐竹南家の19代当主であり、男爵としても知られています。また、秋田県湯沢市の名誉市民にも選出されており、日本高山植物保護協会の会長を務めるなど、植物保護への尽力が評価されています。

経歴

佐竹は1902年、秋田県に生まれました。彼の父は佐竹義雄で、男爵の地位を有していました。佐竹義輔は次男であったため、最初は早川家に養子に出されていました。しかし、兄の義質が急逝した後、当家の当主としての重責を担うことになり、男爵位を継承しました。

教育は秋田県立橫手中学校を経て、東京帝国大学の理学部に進学しました。在学中に学位論文として「Boehmeria japonica（日本産やぶまを屬）」を提出し、晴れて理学博士号を取得しました。卒業後は東京科学博物館（現在の国立科学博物館）で植物研究部長を務め、日本の植物学の発展に寄与しました。

2000年、老衰により97歳でこの世を去るまで、彼の研究活動は続きました。

研究内容・業績

佐竹義輔は、特に植物分類学において多大な業績を残しました。特にホシクサ属の分類に注力し、この分野で新種をいくつも記載しました。彼は約130種の新しい植物を文献にしており、その中にはネムロホシクサなども含まれています。

また、彼の名前が冠された植物も存在しており、ヤエヤマヤシ（Satakentia liukiuensis）などがその一例です。植物図鑑や学術書など、彼の著作は多岐にわたり、平凡社の『日本の野生植物』など複数の重要な出版物でその功績が紹介されています。

さらに、植物学者の工藤祐舜に育てられたことから、その影響を受けながら自身の研究を深化させました。

家族・親族

彼の家族も著名であり、父は男爵の佐竹義雄であり、彼自身が当主となりました。母親は佐竹レイであり、祖父の長女です。兄には佐竹義質がいます。妻は鹿島縫子であり、子供には相撲研究家として知られる佐竹義惇がいます。義惇は、相撲に関する多くの著作を残しており、特に戦後の新入幕力士に関する物語が注目されています。

著書

佐竹義輔は多くの著作を通じて自身の研究成果を広めました。代表的な著作には、1940年に出版された『大日本植物誌 - ホシクサ科』、1963年の『西イリアン記―ニューギニアの自然と生活』、1964年の『植物の分類―基礎と方法』、1967年に出された『高山植物―原色・自然の手帖』や『野の花―原色・自然の手帖』などがあります。加えて、教育関連の書籍や図鑑の監修・編集も手掛けており、植物学の普及に貢献しています。

彼の名は日本の植物学において今なお輝いており、多くの後進たちにとっても大きな模範となっています。

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