工藤祐舜

工藤祐舜：日本の植物分類学を牽引した泰斗

工藤祐舜（くどう ゆうしゅん、1887年3月26日 - 1932年1月8日）は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本の植物学者です。現在の秋田県横手市に生まれ、植物分類学の分野で顕著な業績を残しました。

生い立ちと学問への道

工藤祐舜は、浄土真宗の寺院の長男として生を受けました。幼少の頃から植物に深い関心を持ち、中学校時代には植物好きの教師、宮沢運治との出会いが彼の人生を大きく左右します。宮沢教師は工藤を助手のように扱い、植物採集に連れ回りました。この頃から、工藤は海外の植物園や博物館と標本交換を行い、その才能を発揮し始めます。札幌農学校の宮部金吾に学名不明の植物を送ったことがきっかけで、二人の間に交流が生まれました。工藤は宮部のいる札幌農学校への進学を希望しましたが、宮部の勧めで東京帝国大学に進学することになります。

研究者としてのキャリア

1909年、東京帝国大学理科大学に入学し、植物分類学を松村任三のもとで専攻しました。卒業後は、東北帝国大学農科大学（のちの北海道帝国大学）に奉職し、樺太や千島の植物調査に尽力します。1922年には、『北千島幌莚島植物誌』で理学博士号を取得しました。

1925年からは在外研究員としてアメリカ合衆国をはじめとする6か国で研究生活を送りました。帰国後、台北帝国大学の理農学部教授に就任し、植物分類学の講座を担当するとともに、台北植物園長、台湾総督府中央研究所技師を兼任しました。台北では、押し葉標本を収載する腊葉館の建設に尽力し、東洋屈指の規模を誇る施設を完成させました。1929年には、ラテン語で記述された名著『日本支那産唇形植物の分類』を刊行し、その学術的貢献を世界に示しました。

急逝と後世への影響

1932年、工藤祐舜は心臓病（狭心症）により台北で急逝しました。彼の死後、正宗厳敬、鈴木蒔夫、福山伯明らによって、工藤を記念した学術雑誌「KUDOA」が創刊され、彼の遺志が受け継がれていきました。また、ラン科キンラン属には、彼の名前を冠したユウシュンランがあり、その功績は आज भी 語り継がれています。

主な著書

『北海道主要樹木図譜』（1919-、宮部・須崎との共著）
『日本有用樹木分類学』（1922）
『北樺太植物調査書』（1924）
『北海道薬用植物図譜』（1924、須崎との共著）
『北海道の植生』（1926）
『日本支那産唇形植物の分類』（1929）
* 『植物園種子目録』（1931）

工藤祐舜は、日本の植物学、特に植物分類学の発展に大きく貢献した人物として、その名 आज भी 記憶されています。

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