佐藤兼伊知

佐藤兼伊知（さとう けんいち）氏は、1959年9月13日に北海道札幌市白石区で生まれました。本名は佐藤健一といい、読み方は同じです。

北海高校に進学した佐藤氏は、投手としてチームのエースを担いました。高校3年生だった1977年には、夏の甲子園南北海道大会の予選決勝までチームを導きましたが、惜しくも完封負けを喫し、甲子園出場は叶いませんでした。

同年のプロ野球ドラフト会議において、ロッテオリオンズ（現在の千葉ロッテマリーンズ）から5位指名を受け、プロの世界へ足を踏み入れました。

プロ入り当初は投手として入団しましたが、1979年に内野手へと転向しました。内野手としては、遊撃手、三塁手、二塁手と複数のポジションを守れるユーティリティプレイヤーとして才能を開花させました。堅実な守備と、試合の流れを変える勝負強いバッティングでチームに貢献します。

1986年には、当時の正遊撃手だった水上善雄選手の離脱もあり、様々なポジションで出場機会を増やしました。この年、自身初めてとなる規定打席に到達し、打率.283（リーグ22位）という好成績を残しています。翌年以降も、その汎用性の高さからチームにとって欠かせない存在として起用され続けました。

1989年には、シーズン開幕直後に怪我で戦線離脱を余儀なくされる期間がありましたが、復帰後は遊撃手のレギュラーとして定着し、打率.297を記録するなど打撃面でも高いパフォーマンスを見せました。1990年には2度目の規定打席（リーグ18位、打率.271）に到達しています。

1991年には、チームに加入した南渕時高選手との併用が増え、出場機会が減少傾向となりました。このシーズンの途中、登録名を本名の「佐藤健一」から「佐藤兼伊知」に変更しています。

1992年のシーズン終了をもって、現役生活にピリオドを打ちました。

プロ野球選手としてのキャリアにおいて、佐藤氏は1000試合出場を達成しています。これは1992年7月1日、千葉マリンスタジアムで行われた対西武ライオンズ戦に二塁手として先発出場した際に達成されたもので、プロ野球史上302人目の記録でした。

現役引退後は、そのままロッテオリオンズ（後に千葉ロッテマリーンズ）のコーチとしてチームに留まりました。1993年から指導者としての道を歩み始め、長年にわたりチームの育成に貢献します。

2007年10月には、翌シーズンのコーチ契約を結ばないことが球団から発表され、コーチ職を離れて野球振興事業担当へと異動しました。2008年からは球団の振興部テクニカルコーチとして、ベースボールアカデミーでの指導や、海外の提携球団、千葉県内での野球教室などで後進の指導にあたっています。同年には、ロッテと提携していた中国の江蘇ホープスターズの監督を務め、元チームメイトだった園川一美氏が投手コーチとして帯同しました。

2010年からは再び現場に戻り、千葉ロッテマリーンズの二軍内野守備走塁コーチに就任。2012年からは一軍の内野守備走塁コーチを務めました。その後、2015年から2017年までは再び二軍の内野守備走塁コーチを担当しています。

ロッテのコーチを退任した2018年以降は、野球解説者として活動しており、日テレNEWS24などで試合の解説を務めています。

プロ野球選手およびコーチとしてのキャリアを通じて、背番号は54番（1978年～1983年）、23番（1984年～1992年）、78番（1993年～1994年）、76番（1995年～2007年）、83番（2010年～2012年）、81番（2013年～2017年）と変遷しています。登録名も現役途中の1991年に佐藤健一から佐藤兼伊知に変更されました。

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