三塁手

三塁手の役割と重要性

三塁手（さんるいしゅ、英: third baseman）は、野球やソフトボールにおいて内野の一員として三塁付近を守るポジションを指します。守備番号は「5」で、英略字では「3B」と表記されることもあります。日本では一般的に「サード」と呼ばれ、攻守において非常に重要な役割を果たしています。

三塁手の求められる技術

三塁手は、特に内野手の中でも時間的余裕が少ないポジションです。ゴロを捕球した際には、一塁へ確実に送球する必要があり、そのための捕球能力、肩の強さ、正確な送り球技術が求められます。さらに、遊撃手よりも打者から近い位置にいるため、打球が来るまでの反応速度が非常に重要です。特に中軸打者の打球は速いため、素早い動きが必要です。

主に処理する打球の種類は、三塁線寄りのもの、遊撃手の前方に飛ぶ打球、三塁周辺から本塁近くのファウルゾーンに上がる浅いフライです。遊撃手方向に飛ぶ緩い打球は三塁手に近いため、前に出て捕球することが多いです。また、投手の守備負担を軽減するために、投手が捕球しやすい打球を三塁手が処理することもあります。三塁後方の浅いフライを処理する際は、遊撃手がその位置から打球の落下点を見やすいため、遊撃手に任せられることが一般的です。

三塁手のポジショニングと送球

球速の速い打球に対しても三塁手は適応しなければなりません。肩が弱い選手でも、守備位置を前方に出すことで攻撃走者を封殺することができます。一方で、遊撃手の役割も果たせる程度の肩がある三塁手であれば、守備位置を下げることで守備範囲を広げることが可能です。ただし、右投げの選手に比べて左投げの三塁手は非常に少ないのが現実で、これは捕球後の一塁への送球に時間がかかるためです。

三塁手の戦略的役割

また、三塁手は走者がベースを正確に踏んでいるかを監視する役目も担っています。適切に踏んでいない場合、瞬時にボールを要求し走者を刺す判断力が必要です。このように、三塁手の役割は守備の確保だけでなく、試合の流れにも大きな影響を与えるものなのです。

三塁手とその評価

日本プロ野球（NPB）において、長嶋茂雄の影響で「強打者の花形ポジション」とされることが多かった三塁手ですが、2000年代以降ではその表現はあまり見かけなくなっています。例えば、2016年シーズンには「規定打席に到達し、100試合以上三塁手を務めた」日本人選手はわずか3人でした。しかし、時代は移り変わり、2021年にはセ・リーグ本塁打王を分け合った岡本和真（巨人）と村上宗隆（ヤクルト）の両選手が、共に100試合以上三塁手を務めたことから、三塁手の役割の重要性が再認識されています。

このように、三塁手は守備だけでなく、試合運びにも影響を及ぼす重要なポジションであり、プレーヤーとして求められる技術は多岐にわたります。

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