佐藤奈々子

佐藤奈々子 - 音楽と写真の世界を舞台にしたアーティスト

佐藤奈々子（さとう ななこ）は、1955年12月17日に東京都中野区で生まれた歌手・写真家である。彼女は慶應義塾大学文学部を卒業し、音楽と写真を通じて独自の表現を追求してきた。特に、彼女の音楽は独特のコケティッシュなウィスパー・ヴォイスが特徴であり、渋谷系の先駆者とも言われている。

音楽の始まりとキャリアの初期

奈々子は、叔母に体操を教わりながら育つが、スポーツの道を断念することになる。その後、大学生活の中で佐野元春と出会い、音楽に目覚める。1977年には、佐野との協力でアルバム『Funny Walkin'』をリリースし、正式に音楽キャリアをスタートさせる。このアルバムは、彼女の音楽的才能を広く知らしめるものであり、以降も数多くのソロアルバムが発表されていく。

彼女の音楽活動は、ムーンライダーズや加藤和彦への作品参加、楽曲提供にまで多岐にわたった。1980年にはニュー・ウェイヴ・バンド「SPY」を結成し、プロデューサー加藤和彦とのもとでアルバム『SPY』を制作。この頃には、様々なメディアでの活動を広げ、1979年までに計4枚のソロアルバムをリリースした。

写真家としての道

音楽活動の傍ら、奈々子は多重露光技法を駆使した幻想的な写真を撮るプロの写真家としても活動を開始した。彼女はCoccoや細野晴臣のCDジャケットデザインも手掛けるなど、視覚芸術でも高い評価を受けている。特に、1986年に日産の海外向けカレンダー撮影で金賞を受賞するなど、その実力を証明した。

海外での活動と再開

1987年から5年間パリに移住した奈々子は、帰国後の1993年には音楽活動を復活させ、アルバム『Fear and loving』を発表した。その後は「nanaco」としての名義でも活躍を続け、1996年にはアルバム『Love is a Drug』をリリース。この作品は日本人歌手として初めてNMEのシングル・オブ・ウィークに選ばれる快挙を成し遂げる。

家族と後進への影響

奈々子は、オランダ人の元夫との間に息子janをもうけた。janも音楽活動を行っており、特に2012年にはGREAT3に正式加盟し、しばしば母親の活動をサポートする存在になっている。また、彼女の作品にも参加しており、親子二代のコラボレーションも話題となった。

ディスコグラフィーと参加作品

奈々子の音楽ディスコグラフィーは多岐にわたり、1977年から2022年まで数多くのアルバムやシングルを発表。この中には、彼女が参加した作品や他アーティストへの楽曲提供も含まれ、その活動範囲は広がり続けている。

最後に

佐藤奈々子は、音楽と写真、両方の分野で独自のスタイルを確立したアーティストである。彼女の作品は世代を越え、多くのファンに愛され続けており、今後の活動にも期待が寄せられている。彼女のキャリアは、時代の変化を受け入れながらも、常に進化し続ける姿勢を示していると言えるだろう。

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