佐野隆仁

佐野隆仁：横山やすしが育てた競艇選手

1964年6月2日、香川県に生まれた佐野隆仁氏は、大阪府を拠点に活躍した元競艇選手です。登録番号3243、身長161cm、血液型B型。58期生として大阪支部所属でした。同期には池上裕次氏、平石和男氏、柳澤千春氏など、そうそうたるメンバーが名を連ねています。

佐野氏の経歴は、一般的な競艇選手とは大きく異なる、異色のキャリアです。高校卒業後、なんとあの横山やすし師匠に入門したのです。しかし、漫才師になるのではなく、アマチュアボートレーサーとしてです。

当初、やすし師匠は門前払いしようとしたそうですが、佐野氏の「漫才の弟子ではなく、ボートの弟子にして下さい」という熱意に心を打たれ、快諾したと言われています。2年間、やすし師匠の元で住み込み修行を行い、師匠の手伝いやサポート役を務めながら、アマチュアボートレーサーとしての指導を受けました。やすし師匠の厳しい指導と温かいサポートは、佐野氏の競艇人生の礎を築いたと言えるでしょう。

やすし師匠の指導の下、ボートレーサーとしての道を歩み始めた佐野氏は、1986年に本栖研修所を卒業し、晴れて競艇選手としてデビューを果たします。そのユニークな経歴から「横山やすしが育てた競艇選手」として、競艇界では広く知られる存在となりました。師匠であるやすし師匠と同じく、デビュー後には野中和夫氏を師匠格として仰ぎ、研鑽を積んだと伝えられています。

競艇選手としての活躍だけでなく、佐野氏は競艇界の発展にも大きく貢献しました。2014年6月には、日本モーターボート選手会専務理事に就任。2期4年間という長い期間、その職務に邁進し、組織運営に手腕を発揮しました。

その後、2018年7月17日には現役復帰という大きな決断を下します。長年の経験と知識、そしてやすし師匠から受け継いだ精神力をもって、再び水面を駆け巡りました。しかし、2024年7月4日、佐野氏は現役引退届を提出。長きにわたる競艇選手生活に幕を閉じました。

佐野隆仁氏の競艇人生は、まさに波乱万丈、ドラマチックなものでした。横山やすし師匠との出会い、そして日本モーターボート選手会専務理事としての活躍、そして現役復帰と引退…。その軌跡は、多くの競艇ファンに感動と勇気を与え、長く語り継がれることでしょう。彼の功績は、競艇界の歴史に深く刻まれています。

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