依田義賢

依田義賢 (よだ よしかた) の生涯と業績

依田義賢は1909年4月14日、京都市に生まれ、日本の映画界において重要な役割を果たした脚本家です。彼は1930年に日活太秦撮影所の脚本部に入社し、翌年には村田実監督のサイレント映画『海のない港』でデビューを果たしました。22歳という若さでのスタートから、彼は徐々にその名を広めていきました。

1936年、依田は永田雅一が運営する第一映画に移籍し、溝口健二監督の『浪華悲歌』において初めてのトーキー作品を手掛けます。この作品は依田にとって大きな評価を得るきっかけとなり、その後も溝口とのコラボレーションを続けました。依田は溝口の要求に応えるだけでなく、撮影現場でのリライトにも机を並べ、作品に対する情熱と忠誠を示しました。

彼の代表作には『残菊物語』や『西鶴一代女』、『雨月物語』があり、これらの作品は日本の文芸映画の名作とされています。溝口健二が亡くなった際、依田もその悲しみに沈み込むほど深い関係を築いていました。その後も依田は多くの作品を執筆し続け、商業的にも成功した『悪名』シリーズなど、娯楽映画の脚本でも名を馳せました。

依田は脚本家としての技術だけでなく、彼の詩的な感性も作品に反映させました。天野忠や山前実治といった関西の詩人たちとの交友関係も深く、1941年には『冬晴』という詩集を出版しています。彼は晩年には大阪芸術大学の映像学科にて教授として教鞭を執り、後進の育成にも尽力しました。

1991年11月14日、依田義賢は82歳でこの世を去りました。その墓所は京都の左京区にある圓通寺です。

ヨーダのモデル説

依田義賢は、映画『スター・ウォーズ』のキャラクター「ヨーダ」のモデルであるという説があります。この噂は様々なメディアで取り上げられ、彼とプロデューサーのジョージ・ルーカスとの関係が話題にされました。依田の息子である哲学者の依田義右も、メディアでこの話を取り上げています。しかし、ヨーダの顔のモデルはスチュアート・フリーボーンとアルベルト・アインシュタインで、依田自身は関与していないと言われています。

おもなフィルモグラフィ

依田義賢のフィルモグラフィには、以下のような作品があります。

• - 『海のない港』（1931年）
• - 『浪華悲歌』（1936年）
• - 『残菊物語』（1939年）
• - 『西鶴一代女』（1952年）
• - 『雨月物語』（1953年）
• - 『悪名』（1961年）

彼の作品は日本映画において重要な地位を占めており、その影響は今なお色濃く残っています。依田義賢は脚本家としてのキャリアを通じて、日本映画界に大きく貢献し、多くの作品を世に送り出しました。

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