俄山弘法大師堂

俄山弘法大師堂の紹介

広島県福山市津之郷町の俄山に位置する尚、俄山弘法大師堂は地域の信仰の中心として知られるお堂です。この場所は、名水としても有名で、訪れる人々に湯治の場を提供しています。また、弘法大師の湯または単に俄山弘法大師とも呼ばれています。

歴史的背景

807年、弘法大師（空海）がこの地を訪れた際、地域の人々の病気を癒すために加持祈祷を行い、岩を突くことで湧き出したとされる霊水が名水として知られるようになりました。この霊水は「温泉水弘法水」と名付けられ、周辺の住民によって広く利用されることとなりました。

信仰のシンボルとも言えるお堂や、水を汲む施設、休憩や宿泊ができる場所も整備され、1919年には入佛祭りが行われました。さらに、地域の「俄山弘法大師遺徳会」が運営を支えており、365日、会員が交代で常駐しています。この会は、280世帯の地域住民から成る団体です。お堂には弘法大師の像が祀られており、地域の人々の集いの場としても機能しています。

施設の概要と利用状況

2006年には山火事の危険にも遭遇しましたが、地域住民が協力して消火作業を行ったことで大事には至りませんでした。2009年には宿泊施設と入浴施設が新たに建て替えられ、現代のニーズに併せた利用が可能になりました。湯治場としても機能しており、昔は修行者が利用していたこともありましたが、現在では一般の家族連れや友人同士での訪問が増えています。

入浴施設は、霊水が使用されており、1日に約20～40人の利用がありますが、老朽化ゆえに利用者が減少する傾向が見られました。2008年に入浴施設の改修計画が立ち上がり、2009年には新たにオープンしました。この改修によって、宿泊室や入浴設備が新たな魅力を持つものとなりました。

名水の特徴

俄山弘法大師堂の名水は、まろやかな軟水で知られ、特に炭酸イオンを適度に含んでおり、さっぱりとした喉越しが特徴です。この水は筋肉痛やリウマチ、アトピー性皮膚炎に効果があるとされ、地域住民や訪問者に重宝されています。また、油分を含まないため、飲用にも適しており、料理やお茶に使うとその旨味が一層際立ちます。

交通アクセス

アクセスはJR福山駅から中国バスの津之郷線に乗り、弘法入口バス停で下車後、徒歩で5kmの距離です。また、山陽高速道路福山サービスエリアからも近く、便利に訪問することができます。

まとめ

俄山弘法大師堂は、歴史的な背景を持つ名所であり、地域の信仰や文化の象徴でもあります。自然豊かな環境と名水、温泉が融合したこの場所は、訪れる者に癒しを提供してくれるでしょう。地域と共に発展してきたこのお堂は、今後も多くの人々に愛され続けていくことでしょう。

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