信じていたい

シングル「信じていたい」

「信じていたい」は、日本の歌謡界で独自の存在感を放った歌手、西田佐知子が1966年（昭和41年）10月にリリースしたシングルレコードです。発売元は当時ポリドール・レコードとして知られ、現在はユニバーサルミュージックの一部となっています。このシングルにはSDR-1237という品番が付されていました。

収録曲

信じていたい

本シングルのA面、すなわち表題曲として収録されたのが「信じていたい」です。この楽曲は、後の日本を代表する作曲家・編曲家となる宮川泰氏が作曲と編曲の両方を手掛けました。情感豊かなメロディラインは、彼の作曲スタイルをよく示しています。作詞は塚田茂氏が担当しました。楽曲の演奏は、当時のポリドール専属オーケストラが担当しており、楽曲の世界観を広げる重厚かつ丁寧なアンサンブルを聴かせます。

恋のかたみは泪だけ

シングルのB面、カップリング曲として収められているのは「恋のかたみは泪だけ」です。こちらの楽曲は、数々のヒット曲を生み出した作詞家、なかにし礼氏が詩を書き下ろしました。そして、作曲と編曲は中島安敏氏が手掛けています。なかにし礼氏らしい情景描写と心情表現に富んだ歌詞が、楽曲に深みを与えています。

『第17回NHK紅白歌合戦』での披露

「信じていたい」は、レコード発売から間もない1966年12月31日に放送された『第17回NHK紅白歌合戦』において、西田佐知子自身によって歌唱されました。この回は彼女にとって、通算6回目の紅白出場という節目の舞台でした。歌唱順は、紅組のトリを飾る歌手の一人前という、番組の中でも特に注目度の高い位置でした。この時の歌唱の様子は映像として現存しており、西田佐知子が歌唱する傍らで、紅組の他の出場歌手たちがステージ脇で熱心に声援を送る、当時の紅白ならではの一体感が記録されています。この紅白での披露は、楽曲の知名度を一層高める機会となりました。

収録作品

「信じていたい」は、その後の長きにわたり、西田佐知子の代表曲の一つとして多くのファンに親しまれています。そのため、彼女の作品集やベストアルバムに数多く収録されています。以下に主な収録作品の一部を挙げます。

『西田佐知子 アカシアの雨がやむとき』（1993年発売、POCH-1288）
『全曲集』（1994年発売、POCH-1437）
『GOLDEN☆BEST 西田佐知子』（2003年発売、UICZ-6041）
『西田佐知子 魅惑のヒット集ベリーベスト』（2006年発売、EJS-5）
『西田佐知子歌謡大全集』（2007年発売、UPCY-9096/100）
『初めての街で 〜西田佐知子ベストセレクション〜』（2009年発売、UPCY-6543）

これらの収録からもわかる通り、この楽曲は時代を超えて多くの人々に聴き継がれていることが伺えます。ベストアルバムの定番として扱われることは、その楽曲の根強い人気を示すものです。

関連事項

1966年の音楽
第17回NHK紅白歌合戦

このシングル「信じていたい」は、1960年代後半の日本の歌謡シーンを彩った一曲であり、西田佐知子の音楽活動における重要な楽曲の一つです。宮川泰氏による美しいメロディと、西田佐知子の情感豊かな歌声が織りなすこの楽曲は、今なお多くの音楽ファンに愛され続けています。

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