信州日報

信州日報について

『信州日報』は、かつて長野県飯田市で発行されていた日刊の地域新聞です。その歴史は、戦後の地域紙の再編と深く関わっています。

創刊までの経緯

飯田市では、戦後の地域紙の統合と分裂の過程で、過去に『新信州日報』や『信州日報』を名乗る新聞が存在しました。これらの新聞は、プランゲ文庫にも記録が残されていますが、最終的には統合され、1954年10月1日に『南信州新聞』として新たなスタートを切りました。しかし、その2年後の1956年、かつての『信州日報』に在籍していた社員たちが『南信州新聞』から独立し、改めて『信州日報』を創刊しました。

『南信州新聞』との共存と経営難

その後、『信州日報』は長きにわたり『南信州新聞』と並び立つ形で発行を続けました。しかし、時代の流れとともに経営は徐々に悪化し、2012年には従業員への給与支払いが困難になるという深刻な事態に陥りました。そして、2013年11月30日をもって事実上の廃刊となりました。

廃刊後の状況

廃刊直前の公称部数は5,000部でした。廃刊後、2014年1月には長野地方裁判所飯田支部に自己破産を申請しました。さらに同年11月には、会社と旧経営者個人が最低賃金法違反（賃金未払い）の疑いで長野地方検察庁飯田支部に書類送検されるという事態に発展しました。

その他

元衆議院議員の串原義直氏が、晩年に『信州日報』の会長を務めていたことでも知られています。

信州日報は、地域に根差した新聞として一定の役割を果たしましたが、時代の変化とともにその役割を終えることとなりました。その歴史は、地方紙が抱える経営の難しさを示す事例の一つと言えるでしょう。

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