信楽高原鐵道SKR500形気動車

信楽高原鐵道SKR500形気動車

信楽高原鉄道のSKR500形気動車は、2017年に導入された新しいタイプの気動車です。この車両は、SKR400形と同系列ですが、内装の座席配置がロングシートから転換クロスシートへと変更されたことで、乗客にとってより快適な移動空間が提供されています。SKR500形は、特に車内の快適性や利便性にこだわって設計されています。

導入経緯と目的

この車両は、信楽高原鐵道で運用されていたSKR200形のSKR205号車を代替するために、2017年2月に導入されました。新たに導入されたSKR500形は、鮮やかな緑色の車体に、山々をイメージしたデザインが施されています。この色は、自然豊かな信楽地域の風景に調和し、観光協会からも注目されています。

車体構造

SKR500形では、客用扉が片側に2か所、運転室直後に1か所、そして反対側の小窓の横にもう1か所設けられています。運転室には乗務員のための扉もあり、利便性に配慮されています。車体の両側には、固定窓が6組用意されており、戸袋部には窓が設けられていません。これにより、固定した視覚的なデザインが一貫しています。さらに、車内の設備には、運賃箱や整理券発行機など、ワンマン運転用の計器と装置が備えられています。

客室の座席は、転換式クロスシートが使用されており、4位側の車端部には車椅子スペースが設置されています。また、扉には開閉予告チャイムが取り付けられ、利用者に配慮した構造になっています。前面にはLED式の行先表示機が装備され、視認性の高い情報提供が行われています。

走行装置

SKR500形の走行装置においては、新潟原動機製のDMF13HZ型ディーゼルエンジンが搭載されています。このエンジンは、連続定格出力243 kW、回転数2,000 rpmというパフォーマンスを持っており、定評のある動力源です。動力はTACN-33-1608液体変速機を通じて台車に伝えられ、前位側の台車は2軸駆動の動力台車であるNF01PD、後位側は従台車のNF01PTを使用しています。また、砂撒き装置とフランジ塗油器も装備されており、安全かつ安定した走行を確保しています。さらに、列車情報制御装置（TICS）が搭載されており、全電子制御が実現されているため、SKR400形以外の車両との併結運転はできません。

空調装置

この車両の暖房装置は、エンジンからの排熱を利用した温風式が採用されているため、冬季も快適に過ごせます。また、冷房装置は2台の機関直結型が搭載されており、夏季の暑さ対策も万全です。

運用開始

SKR501号車は、2017年2月5日に営業運転を開始しました。信楽高原鉄道の新たな顔として、地域の活性化に寄与し、観光客に愛される存在となっています。この気動車は、利用者のニーズに応えるために絶え間ない進化を続けています。

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