信楽高原鐵道

信楽高原鉄道株式会社の概要

信楽高原鉄道株式会社は滋賀県で、旧国鉄特定地方交通線である信楽線を運営している鉄道事業者です。これは信楽町や水口町（いずれも現在の甲賀市）などの出資によって設立された第三セクター方式の一環であり、第三セクター鉄道事業者の一つとして活動しています。会社の本社は滋賀県甲賀市信楽町長野192番地に位置しています。

歴史

信楽高原鉄道の歴史は1987年に始まります。以下はその主要な出来事の年表です。

• - 1987年（昭和62年）

2月10日に会社が設立され、7月13日にJR西日本の信楽線が転換され、信楽線が正式に開業します。

• - 1989年（平成元年）

12月1日、信楽焼の干支切符や記念切符の販売が開始されます。これ以後、毎年販売されていますが、記念切符は不定期に発行されています。

• - 1991年（平成3年）

5月14日、信楽線で正面衝突事故（信楽高原鉄道列車衝突事故）が発生し、その結果、運行は12月8日まで停止します。

• - 1995年（平成7年）

12月18日、SKR300形が導入されます。

• - 2001年（平成13年）

11月6日、SKR310形が投入されます。

• - 2013年（平成25年）

4月1日、鉄道事業の再構築計画に基づき上下分離方式に移行し、信楽高原鉄道が第二種鉄道事業者となり、甲賀市が第三種鉄道事業者となります。
9月15日には、台風18号の影響で信楽線が運休し、台風による被害が大きく報告されます。

• - 2014年（平成26年）

11月29日、運行が再開されます。

• - 2015年（平成27年）

1月15日、スウェーデンの陶芸家リサ・ラーソンの作品をテーマにしたラッピング列車が運行を開始し、10月にはSKR400形が投入されました。

• - 2017年（平成29年）

SKR500形が導入されます。

• - 2019年（令和元年）

信楽をテーマにしたNHKの連続テレビ小説のラッピング列車が運行されます。

路線と車両

現在、運営されている信楽線は貴生川から信楽までの14.7kmで、信楽高原鉄道が第二種鉄道事業者として、甲賀市が第三種鉄道事業者として活動しています。
現在の車両には、SKR310形、SKR400形、SKR500形があります。それぞれの車両は更新や置き換え用に導入されていますが、過去にはSKR200形やSKR300形も存在しました。特に1991年の事故によって一部の車両が廃車となり、残った車両も後の新型車両によって置き換えられています。

塗装

信楽高原鉄道の車両は、開業当初は赤と紫、そして山つつじの花びらをデザインした塗装が施されていましたが、事故後には緑帯に変更されました。この緑色は安全のシンボルとしても認識されています。

事件と災害

1991年5月14日には、列車の正面衝突事故が発生し、42名の死者を出す大惨事となりました。また、2013年の台風による杣川橋梁の流失事件は、鉄道の運行にも深刻な影響を及ぼしました。

経済の現状

近年、経済的には困難に直面しており、債務超過などの経営課題が抱えられています。しかし、新たな鉄道路線の構想やアクセス道路の建設が進められ、未来への期待が寄せられています。また、2012年には事故の被害補償について、滋賀県や甲賀市からの借入金全額の放棄を求める動きも見られました。

信楽高原鉄道は豊かな自然の中を走り、地域の交通手段として重要な役割を果たしていますが、厳しい経営環境と過去の事故の影響を乗り越え、新たな未来を築く努力が続けられています。

もう一度検索