信濃小谷地震

信濃小谷地震の概要

信濃小谷地震（しなのおたりじしん）は、江戸時代の正徳4年（1714年）3月15日に、信濃国の北西部で発生した地震であり、1714年正徳小谷地震とも呼ばれています。この地震は多くの人々に深刻な影響を及ぼした歴史的な出来事であり、その記録は様々な文献に残されています。

地震の記録

地震は、正徳四年三月十五日、夜5時半頃に小谷村を中心に発生しました。尾張藩の奉行である朝日文左衛門重章の日記や『江戸幕府日記』には、地震によって102石余りの田畑が損失し、潰れた家屋は194軒、半壊が141軒、さらに怪我人37人、死者56人、牛馬にけがをしたものが20頭に達したと記されています。また、『月堂見聞集』では、男32人、女25人の死者、潰れた家屋が33件あるとの記録もあります。

その後の調査によって、白馬村の古文書からも地震の記録が発見され、15日の夜から翌16日の昼までに33回の地震が発生し、54人が死亡し350軒が破壊されたとの報告がありました。坪の沢では、大山の崩壊によって約8kmにわたり水没したとも伝えられています。

さらに、千国村では山崩れが発生し、30人が死亡し、家屋が倒壊する被害があったことも確認されています。

震源と影響範囲

河角廣は、この地震の規模をMK=3と評価し、マグニチュードM=6.4として換算しており、また宇佐美龍夫はMを約6+1/4と推定しています。震源は信濃小谷村周辺にあり、主に南北25kmの範囲で震度6以上の揺れがあったとされています。

地震による影響は広範囲にわたり、特に青木湖を南端とし、信濃川流域に位置する村々で大きな破壊を引き起こしました。善光寺の本堂も破損し、地域の神社や寺院が被害を受けました。

これらの影響は、後の調査結果によって明らかになり、地元の川に天然ダムが形成されるなど、地形にも変化をもたらしました。

プレートテクトニクス的観点

信濃小谷地震は、糸魚川静岡構造線上で発生した地震としても注目されています。この地域は、歪集中帯に位置しており、過去にも幾度とない地震が記録されています。地震という自然現象はプレートテクトニクスに密接に関連しており、特にアムールプレートの動きが今回の地震にも影響を与えたと考えられています。

この地域での他の地震

信濃小谷地震後も、この地域では様々な地震が発生しています。1858年の信濃大町地震や、1918年には大正大町地震と呼ばれる双子地震が発生し、2014年の長野県神城断層地震も近年の大きな地震として記録されています。

まとめ

信濃小谷地震は、1714年に信濃国で発生し、大規模な被害を引き起こした歴史的な自然災害です。その後の調査や記録によって、その影響や発生原因が明らかにされており、地震学や地質学からの視点でも重要な研究対象とされています。地域における過去の地震の記録は、現在の防災対策や理解を深めるために重要なデータとなっています。

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