信玄橋

信玄橋の概要

信玄橋（しんげんばし）は、山梨県南アルプス市と甲斐市を結ぶ、釜無川（富士川）に架かる重要な橋です。この地域では古くから渡し船や仮橋が利用されており、交通の要所としての役割を果たしていました。しかし、1930年（昭和5年）に整備された「四間道路」（後の県道20号）に伴い、恒久的な橋の建設が決まり、1932年（昭和7年）に最初の信玄橋が架設されました。

初代の信玄橋は鉄筋コンクリート造で、当時の総工費は約12万円とされ、5万円もの金額が甲州系財閥の穴水要七によって拠出されました。橋には親柱が設けられ、その頭部には橋灯が設置されていました。夜間には灯火が灯り、通行者の安全を確保していました。

1966年に発生した台風4号により橋脚が沈下し、修復が行われましたが、その後も50年以上にわたり流失することなく、甲府市と甲府盆地西部を結ぶ重要な生活道路として利用されてきました。しかし、通行量や大型車の増加が老朽化を招き、幅員がわずか5.45mしかなかったため、安全性に問題が生じました。これを受けて、1992年（平成4年）に北側に新しい信玄橋が架けられ、旧橋はその後解体されました。親柱の一部は、南アルプス市側の児童館敷地内に移転されています。

信玄橋の名前の由来には、武田信玄にちなんだ説や周辺に信玄堤があったためとも言われていますが、詳しいことはわかっていません。しかし、名前には武田色が濃く、初代の橋の欄干には武田菱の文様が描かれていました。また、現在の橋の欄干や歩道にも同様の武田菱が施されています。

このように、信玄橋は地域の歴史と文化を反映した象徴的な存在であり、その独自のデザインと堅牢さで人々の生活を支えてきた橋として、多くの人に親しまれています。今後もこの場所が地域の交通の要所として、また歴史的な名橋として愛され続けることでしょう。

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